2023/6/10 M君と2度目のお別れ(?)

【このお話の前はこちら

家に来てもらった後のM君とのやりとりは、また毎日楽しくて嬉しかった。
私は、M君からのLINEを、本を読むように何度も何度も読み返した。
同じところでニヤついたり、クスッとしてしまう。
毎日やることが山積みで、会いたいと言ってくれる友達とお茶する時間も、なかなか作れない日々なのに…

1日中、メッセージ内容を思い出したり、
何て返信を送ろうか考えて過ごしてしまう。
携帯は、私の宝物になっていた。
身体から離せない。
何度も開いてしまう。

M君に出会う前は、
朝起きた時・派遣の仕事がある日は、休憩中や仕事終わり・娘達が連絡をよこしそうな夕食前後・寝る前
などしか携帯をのぞくことは無かった。

こんな状態でも、相変わらず私は
《M君の事が好き》だとは思えなかった。
ずっと恋愛をしてこなかったから、久々の疑似恋愛に酔ってしまっているのだ…

マッチングアプリは、退会してから30日は再登録が出来なかったから、
また再登録できる日を心待ちにしていた。
こんな気持ちになれる《普通の男性》に早く出会いたい。
またM君がとってもやきもちをやきそうだけれど、お付き合い出来ないのだから仕方がない。
相変わらずM君は、本名や勤務先を教えて来ない。
でも、いつかお別れする人なんだから、
あまり詳しく知らない方がいいかも…と思っていた。

家に来た日に話していて知ったのだけれど、
M君は奥歯がほとんど無いらしい。
歯周病で抜けてしまい、お金が無くてずっと治せずに放置してしまったそうだ。
話す時に空気が抜ける感じがするな…と、なんとなく思っていたけど…

私は虫歯はあるけれど、足りない歯はなく、子供達にも
「歯は大切にしなさい」
と言って育ててきた。
元夫が前歯が差し歯だった事がとても嫌で
「前歯って、どんな事したらなくなるものなの…」と思っていた。
女性でも、前歯が差し歯の人に対して少し敬遠してしまうところがあったのに、M君に対して全くそれを感じなかったことがまた不思議だ。
定職に就いてしばらくしてから歯医者に通い出したようだけれど、
あまりにも歯が無さ過ぎて、地元の普通の歯医者での治療は難しいと思い、
わざわざ電車で何時間もかけて、都会の歯医者に通っているとのこと。


土日祝日が休みのM君。
でも、休日にどこに行ったのかとか、何をしていたのかは、出会った頃から聞かないようにしていた。
マッチングしてすぐの頃はなんとなく。
一度会ってからは
「お母さんとブラブラしているんだろうな」
と思っていた。
地方ミュージシャンIの無料LIVEのことを知ってからは、
《休日に何をしていたのかを知ると腹が立ちそう》
と思ったし、何をしていた以前に、母親とベッタリなことに対して嫉妬心もあった。
  【気になりましたらこちらへ】
元夫が究極のマザコンだったから、マザコンは嫌いだ。

こちらが質問しなくても何となくわかってしまったときには、やっぱり胸がチクチクした。

マリに
「共依存だよね。その人もしかしてまだお母さんとお風呂とか入ってるんじゃない?聞いてみなよ」
と言われ、聞いたことがあった。
答えは NO だった。
『2歳下と7歳下に弟がいるからお母さんと最後にお風呂入ったの2歳くらいだと思うよ』

2歳から大人になるまで全く一度も、ってことは無いだろうけど、
つまり記憶にないくらいなのだろう。
今、その頃にしたくても出来なかったことをして過ごしているんだろうし、
だから彼は嫉妬心が強いんだろうな…
と、自分も母に甘えられずに育ち、嫉妬心が強い私は、彼の心がよく理解できてしまった。


『楽しかったよ お部屋』

「よかった また来てね」

『うん、また行きます』


楽しかったよ…って……
当たり前じゃん!
あなたのしたい事だけして過ごしたんだから!
あれで『退屈だった』なんて言われたら自殺もんですがな。

でも『また行きます』なんて言っても、
すぐには来ないわけだしな…

なぜ私はそんなにM君に家に来て欲しいのだろう?
頭で考えても、いつまで経っても答えは出てこない。


「またマッチングアプリに再登録するよ」と言ったからか、
ちょっとメッセージを送らないと、すぐ心配してくるようになった。

『返信ないね』
『誰かに会っているのかな』
『どんな人に会っているんだろう?』
『男性と会わないか心配してる』

「彼氏じゃないんだから、そーゆー心配しちゃだめだよ って言ったのに」

『うん。』

テレビを集中して観ていることだってあるし、
友達や仕事関係の人と電話したりやりとりがしばらく続いてしまうことだってあるし、
パソコンで作業しなきゃならないことだってあるし、
一人暮らしでもたまには手の込んだ料理を作っていることだってあるんだけど、
いちいち「今○○してた」と報告するのも面倒だし、
この先言えない事や言いたくない事があったときに困るので、
それらの質問やメッセージはスルーすることにしていた。

6月10日
やりとりで、M君の仕事の話になった。
お給料が安いことを、よく愚痴っている。
社会貢献だと思いながらやっている、とも、数回言っていた。

以前から、「土日祝日休みなら、私のように派遣のスポットのお仕事しちゃえばいいのに…。そんなにいつもお金無いお金無いって言っているなら」と、思っていた。

平日も、遅くても18時過ぎには仕事は終わっている様子。
早い時には17時には家に到着している。
毎日それからただテレビを観ながらtweetしているだけなら、夜中の仕事を週1やるだけだって、ちょっとおこずかいが増えるのに。

Wワーク禁止なの?と聞くと、『うん』と返事。
初めて会った日に聞いた話でも、なかなか厳しい会社のようだけれど。
仕事で失敗やミスをすると、そのことを名指しで全員にメールで指摘されたり、お給料も減るらしい。
賞与は5万円で、ミスがあると半額にされてしまうとか。
半額って!
40も過ぎて賞与2万5千円はたしかにないね…
事故を3回起こしてしまうと、クビだという。
なかなかなブラック企業だ。

私はこれまで、あちこちでいろいろな仕事をしてきたけれど、
そこまでひどい会社は聞いたことが無い。
「私なら、こっちから辞めてやるって思うかな…。
お仕事終わるのも早いし、土日祝日全部休めるなら、お給料も含めて同じ条件で、Wワーク出来る会社を探すかな…って思います。
休みの日に仕事なんて、って言う人もいるけど、逆に気分転換になることもあるし、知り合いや友達も増えるよ」

この私の言葉に、またM君はブチ切れたようだ。
珍しく長い文章を送ってきた。

『アルバイトだったり、派遣の仕事で不安定にお仕事している期間が長かったから、月曜日から金曜日まで、平日 朝から夕方まで規則正しい生活が出来る今が大変ありがたいのです。

アルバイトや派遣の時は保険証や社会保険もなかったから。

一般の人が休みの土曜日、日曜日、祝日、に休めるのもすごく幸せですし。

普通の人、一般的な人がお休みのイベントやライブや試合が多い土曜日、日曜日、祝日なんて、絶対 仕事したくないですから。

仕事の事を言ってきたり、合わないと感じるようなら、もう会わなくても大丈夫です。
派遣の仕事で「知り合いや友達」が多いなら、そこで素敵な男性と知り合えたり、「知り合いや友達」から男性 紹介してもらえるんじゃないですか。

私、知り合いや友達が多い人も苦手です。

それなら私より知り合いや友達と会えば良いじゃん。って思います。

自分しかいなくて、自分をかけがえなく、大切だと思ってくれる人、必要とされる人に、私は会いたいので』

そして、アルバイト時代の写真を4枚
送ってきて

『この4枚の写真のようなアルバイト時代や派遣時代には絶対に戻りたくないです。

次の日の仕事を探したり、次の日に仕事があるか不安になったりするの本当に嫌ですし。
毎日、月曜日から金曜日、当たり前のように仕事がある今が本当に有り難いです』

すごい剣幕だ。
でもじゃあ、仕事の文句言うなよな。
有り難いと思っているならさ。
お金が無いのも、友達がいないのも、
自分で選んでることじゃんか。
お金が無くても、友達と遊べなくても、
働きたくないんでしょ?
休む事が優先順位上ってことでしょ?
そもそも、アルバイトや派遣時代が長かったから不安だった、って、
それを選んだのもお前だろーよ。
病気で働けなかったわけじゃないんだから。
大学卒業してから33才で定職に就くまでの間に、正社員でなぜ働こうとしなかったのよ。
いくらだって仕事あったでしょ。

そう思ったけど、
火を付けそうだから何も返さなかった。

『あまり色々な人と連絡取っている人 苦手なんだ』
『派遣で知り合いや友達が多いならすぐに彼氏様 出来そうでしょう』

やんわり私を苦手だと言ってきた。
私は
「言われるの嫌そうだとは思ったけど、ここまでとは。
良いタイミングだったのかも。今度こそお別れだね」

と思ってから ハッとした!

CDを借りてしまったのだった…

どうやって返そう。
近所じゃないし、もう会わないっていうし、
住所はもちろんのこと名前も知らないんだから送れないし…

約1週間後の18日に、M君が住む町の近くで、仕事の講習会があった。
本当は、講習会が終わってから
「お茶とかできない?」
と誘ってみようかな…と、なんとなく思っていたのにな…

「お借りしたCDだけ、お返ししたいです。
来週18日に18時頃、近くのお店まで行ってもいいですか?」

するとまたビックリな返信。

『週に2回しか休みがなくて、大切な日曜日に18時まで家に居ろと。。
もう少し相手の気持ちを考えられる人になると良いと思いますよ。
だから18年間も1人なのです』

は?
友達が1人もいないお前が言うなし。
週に2回しかない休みって。
祝日も休みだろーよ。
世の中の人は、もっと働いているんだし。
そもそも、土日祝日関係なく全く休みなく働いている私に、
よくもそんなこと言えたもんだ。
しかも、自分はそんなこと平気で言っておきながら
人の気持ちを考えろとは?

こちらもムッとしたけれど、
1度こんなことになると、止まらないことは何回かの経験でわかっているので、
下手に出るしかなかった。

「平日だったら大丈夫かな?」

『返さなくても大丈夫です』

「そういうわけには…」
「大切なものでしょう?」

その辺りで、私がこれでお別れしようとしていることに気付いたのか、
急にあちらが下手に出始めた。

『お仕事中 メール大丈夫ですか?
メール 無理せずに』
『心が落ち着いた時にで大丈夫です。
○○さん ちょっと心が落ち着いていないですよ』

あんたよりずっと落ち着いているからね。
あんたこそ、やっと今少し冷静になった様子だね。
でも、遅いっつーの。

「仕事はこれからです。では、来週改めてご連絡いたします」

『今日は何のお仕事だろう』
『何時にお部屋 出発ですか?』

絵文字まで入れ出した。

そして、毎日報告してくれていたことを
『昨日 仕事中バタバタしていて送信する余裕が無かったです。
すみません』
と言って送ってきた。

そして夜遅く、普通に

『こんばんは。
お仕事 お疲れ様でした』

と送ってきたが、既読無視した。

次の日(日曜日)も

『おはようございます。
先週の朝はとっても良いお天気だったのに、今日は雨ですね』

などと言ってきたが、
1日未読無視した。

既読無視や、未読無視をしているのは自分のくせに、
またメッセージを送ってこないかと、
1日に何回も携帯を開いてしまう。
そして、心では
《がんばれM君。私の事を諦めないで。。》
と思っている…
なんなの、この複雑な気持ち。

次の日の仕事終わりに、
「これからCDをお返しに行ってもいいですか?」
と、送ってみた。

『今日はI君(例の地方ミュージシャン)の誕生日で、ラジオの生放送があるので、難しいです。
すみません』

「わかりました。またご連絡いたします」

『もう仲良くしないなら、会うの辛いです』

顔を合わせずに返すって難しくない…?

「お店の駐車場のはじっこに車停めてもらって、
お店に入っていてもらって、フロントガラスに置いておくとか?
ではどうでしょう?」

『会えなくなるのが寂しいです』

「あの、
今回も、
会いたくないとか
私のこと苦手だとか
人の気持ち考えられないとか
言ってこられたのは
あなたです…

多分
やっぱり
グレーなお付き合いは
無理なのだろうと
思います」

『お部屋 居心地良かったので、もう行けないと思うと寂しいです』

「大切な休日は
私なんかに関わることなくお過ごしになって下さい…」


そうは送ったものの、ホッとしていた。
今回もハッキリきっぱりとはお別れしなくてすみそうだ。

私がしたい事、求めている事は、一体何なんだろう?


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