マリと開運と私 2023/4/15 引き寄せ？

この日、派遣の仕事で、駅前にある居酒屋に行った。
仕事として行くのも初めてだけど、お客としても行ったことが無いお店だった。
全国チェーン展開はしているけれど、駅前だからか、
あまり広くなく、こじんまりとした造りだった。

居酒屋の仕事も、お店が違ってもやることは同じ。
緊張することも、特に覚えなければならないこともなかった。
それに、そんなに次々とお客が来ることも、なかった。

新しいお客が入ってきたので、お通しを持っていくと、男性４人組だった。
その中の１人が私を見て
「あれぇ〜？」と、声をかけてきた。
マスクをしていたとはいえ、残りの半分の顔を見ても、
知らない人だと思った。
私は、複数の派遣会社に登録していて、主にスポット(その日１日だけ)
の仕事を選んでいるから、そのどこかで会ったことがある人なのかもしれない、と思った。
行く先々で会った人のことを覚えているときりがないから、
人の名前と顔は覚えないようにしている。
または、酔っぱらいオヤジが、同年代のおばさんだと思い、
面白半分に声をかけてきたのかもしれない、と思った。

「どこかでお会いしたことありましたか？」
と、素っ気なく言うと
「あ〜、そういう感じ？」と言われた。
話は続けずにキッチンに戻り、他のことをしながら
「え…本当に知っている人かな…？」
と、考えた。

注文された料理が出来たので、席に運ぶと、
その頃には男性達はマスクを外していた。

「なぁんだ！K君か！」
それは、中学校の同級生だった。
同じクラスにはなったことがなかったけど、
15年程前に一緒に学年同総会の幹事をやって、仲良くなった。
その頃はLINEもなかったから、その後特に連絡を取り合うこともなかった。

「え、ほんとにさっきわからなかったの？
俺の事わかんなくても、他のやつ見ればわかるでしょ！？」

そう言われて初めて、他の３人を見てみると
１人は、これまた同じクラスになったことはないA君。
話したこともないけど、中学校の頃と全く顔が変わらないので、
見たらすぐに分かった。

あとの２人は……？
じーーーーーーーっと良く見ると、
W君と Ⅰ 君だった。
 Ⅰ 君は、当時大人気だったチェッカーズの藤井フミヤに似ていて、
モテモテだった。
W君は学年で１番かっこよくて、３年生のときは後輩女子からも大人気で、学校で１番モテていた。
W君は、彼だと気付いてみれば、今もカッコイイ。
切れ長の目で、とても綺麗な顔立ち。
 Ⅰ 君は、太ったり禿げたりはしてないけど、
会社では目立たない存在だろうな…って感じの地味なおじさんになっていた。
みんな15年前に会った時は、そんなに中学生の頃と変わってなかったけど、
月日はちゃんと流れたんだな……と感じる変化は、その日はあった。

少し話していると、皆、家では居場所が無く、
定期的に集まっているとのこと。
でも！びっくりしたのは、４人でそのお店に来たのは初めてだとのこと。
行こうとしたお店が満席で入れず、流れてきたそう。
私も、初めて行ったお店で、そんな４人に会うとはビックリ！！
それに、８日に会ったひとみちゃんと、
ちょうど Ⅰ 君とW君の話をしたばかりだった。
１週間後に会うことになるとは……
　　　【8日のことはこちら】

私がシングルだとK君が話すと、他の３人が
「へ～」と、ちょっと興味があるような目で私を見てきた。
「見ろ、このわがままボディ」とK君が続けると、
３人は私の胸元を見てきた。
この年になると、そんな事に興味を持たれる機会もないから、
中学校の頃にモテモテだった男子達に【女】という目で見られたことが、
ちょっぴり嬉しかった。

マリに話すと
「すごい！！候補者　続出」
と、言ってきた。

かっこよくても全然好みじゃないけど、
それに全員既婚者だけど、
何年も偶然会うこともなかった人達に、
一度に４人も偶然会ったことに、
なんだか神秘的なものを感じた。

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