2023/4/23 マッチングアプリで出逢った彼に2度目に会った

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彼と2度目に会う約束の日がきた。
私は早朝6時から、派遣でゴルフ場のレストランの仕事が入っていた。
早朝の仕事な上に、そのゴルフ場は、自宅からは車で1時間かかる距離だった。
もちろん早起きしなければならない。
いつものごとく、前日はなかなか眠れず、ウトウトした記憶もないままに、目覚まし時計をかけた時間がきてしまった。
つまり、徹夜してしまったようだ。

寝不足で頭はボンヤリしていても、
仕事中もずっと今日これからのことを考えてしまう。
仕事が終わってからのシミュレーション…

上がり時間がきたら、
さっさと挨拶をして、
ロッカールームに走り、
着換え、一緒に入っている人に
「急いでいるから、お先に、ごめんね!」と言って駐車場へ走り……

何度もシミュレーションしたのに、
何と残業を頼まれてしまった。
しかも、
「できる?」とは聞かれず、
「延長でお願い」的な言い方で。
「私はできません」と、言えなかった……

予定と違ってしまった上がり方に、再び新たなシミュレーションを始める…

30分後、上がってもいいと言われた。

「疲れたでしょ。好きな物飲んでいいから。その辺にある物も食べて」
そう声をかけてきて、担当者はどこかへ立ち去ってしまった。
「私はいりません」と、言いたかったのに。
急いでいるのに……!
仕事終了時間を記入する用紙にサインをしなければならないが、それがどこにあるのかわからなかった。
やっと戻ってきた担当者。
「あれ?もうモグモグタイム終了なの?」
モグモグタイムなんか、いらないっつーの!
早くシフト記入表を出してくれーー!

ところが、今度はそれがどこにあるかわからない騒ぎ……
イライラして仕方ない。
やっと見つかりサインをして、もう飛び出したいところだったが、仕方なく一緒に入っていた同じ派遣の人と駐車場まで歩く。

「お疲れ様です」
とお別れしてから、とにかく時間がかからない道を!と思ったが、どの道を、どう通ろうと、自宅までは急いで1時間…
シャワーを浴びる時間はある?
トイレで大の方もしたくなってきた……
こちらは、少しでもお腹をへこますために絶対に必要な時間!
全部出すまでに15分はかかる………

家に到着し、トイレに駆け込み、座りながら服を脱ぐ。
なかなか全部出きらない。
中途半端だったが、もう時間がない!ってところでトイレを出てシャワーを浴びた。
3日前に会った、あの変な男の子のために、私はなぜこんなに必死になっているのだろう?

メイクをして、
以前一目惚れして買った下着をつけ、
おしゃれすぎない、そしておそらく脱がせやすいだろうという服を選んで着た。

もう本当に時間がない。
本当はちょっとでも眠りたかった。

自宅を出て、バスに乗り、
駅まで向かった。
電車で彼の住む地域までは1時間。
電車で寝よう……

無事に電車に乗ったことを伝えた。
寝るつもりだから、寝過ごさないといいけど…と。
『寝過ごしてしまったら、お迎えに行きます』と、優しい返事。

予想通り、電車の中でも、眠ることなんて出来なかった。

彼の待つ駅に到着した。
何口にいるのか聞き、出口へ向かう。
電話だったら楽なのに、
何口かを聞くことさえ、いちいちアプリにログインしてから、ということになる。

彼は車を降りて待っていて、私を見つけるとかけ寄ってきてくれた。
どうぞ、と言われた車に乗り込む。
肌寒い日だったのに、窓が開いていた。
「寒いのに窓開けてたの?」
と聞くと、
『人の車のにおいって嫌かと思って、空気を入れ替えてた』という返事。

走り出してすぐ「あ!写真!」と、
車を停めさせた。
何でも記念にとっておきたそうな彼に
「写真や動画は撮っちゃだめだよ」
と前もって伝えると
『ツーショット写真だけは撮りたい』
と言ってきた。
ホテルではない場所で、マスクをしているならいい、と言ってあったのだ。
「駅ででも撮ろう」と、言おうとしていたのに、忘れていた。
車を停めた場所にあった、何でもない普通のマンションをバックに、ツーショット写真を何枚か、彼がスマホで撮った。
肩を組んで。
全然嫌じゃなかった。
写真を撮り終えると、
『かわいい』と言って、頭をポンポンしてくれた。

また走り出すと
『手をつないでもいい?』
と、手をつないできた。
私もそうしたかったから、嬉しいと思った。


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