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平埜生成の「俳優の生存戦略としての発信とセルフプロデュース」 - Medy Owner Interview

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ー 俳優の平埜生成さんに「俳優が発信活動をする意味」「SNSとの付き合い方」、「Medyのようなセミクローズドな場所でこそ届けたいもの」など、発信活動にかける思いを伺いました。

▼ 平埜生成さんのニュースレター「ヒラノキナリの頭の中に浮かぶ島々」



俳優は"演技"や"イケメン"だけでは、もう戦えない時代に

ー Medyはどういった思いで始められたのでしょうか?
コロナ禍のタイミングと前事務所を離れたことも重なり、自分の中でどう「この時代を生きていけば良いのかな」と考えていたときに、たまたまMedyを見つけて今に至ります。

俳優活動をするにあたって、映画を観たり、演劇を観たり、本を読んだりするインプットとそれらを元に表現するアウトプット活動の比率がすごく悪いなと感じていました。

俳優にとってのアウトプットは「演技すること」なのですが、今は仕事が十分にあるわけではないので、アウトプット先が足りないフラストレーションをブログなどの発信活動に当てているようなイメージです。

ー 運営されているブログ等は事務所の方が管理されているのでしょうか?
ブログをはじめた当時は学生だったこともあり、投稿する記事を事前に事務所に確認していた時期は確かにありました。正しいリテラシーを持って発信できるのかといった配慮からです。

俳優の場合は、自撮り写真問題などがあり、背景から撮影場所が特定できてしまわないか、写ってはいけないものが写っていないかといった確認も含めて、事務所とやりとりをしていました。

ただ、続けていく中でリテラシーも身に付いてきたので、そこから先は自由でした。

ー ご自身で自由に発信できることで感じた変化はありますか?
「自分がどういう人間なのか」みたいなことが分かってきました。

僕の発信には目的のようなものはなく、単純に自分の感じたことや思ったことを書いています。

ですが、 ”自分が発信することで自分の言葉をまた自分が聞く” というインプットとアウトプットを繰り返すことができ、自分が「どういう文章が好きなのかな」とか、「どういった思考回路を持っているのか」を文章を通じて把握できるようになった感覚です。

ー 現在は、どのような思いで発信活動を継続されているのでしょうか?
最近は、発信活動は資産になると思ってきました。

自分の発信したことが、生きてきた軌跡のようなものとして記録され、それが資産になのではないかと思っています。人は変化するものなので、その変化を見ることもできます。

一時期は10代の頃を消したい過去だなとか思っていましたが、最近は過去も含めて生きた軌跡や資産になるんではないか。もっと自分の認知度が上がっていったときにこそ価値が生まれるものかもしれない。といったことを考えるようになりましたね。

ー 俳優にとって、アウトプット活動の意味とは何だと思われますか?
俳優は、次の世代との入れ替わりがすごく激しくて、次から次へと若くして活躍するスターが生まれてくる世界です。

その中でお客さんや監督さんに対して、"演技"とか"イケメン"だけでは戦える世界ではなくなってきていると正直感じています。

作り手側としても、映画を作るのならば、"映画が好きな俳優"を使ってみたいとか、画家の役を誰かに演じてもらうなら、"実際に絵を描いてる俳優"に演じてもらいたいといった要望があるのだと思います。そのほうが演技にリアリティも出ますし。

今は私生活もすごく見られていると思うので、そういう状況も含めてSNSとかアウトプット活動の意味に繋がっているんじゃないかと思います。

たとえば、僕は最近、落語にすごくハマッているのですが、とある落語家さんを好きになったのは、エッセイを読んで「え、この人の落語見てみたい!」となったことがきっかけでした。

そういった意味では、知ってもらえるきっかけ作りは、俳優も含めてこれからのクリエイターには必須なのかなと思いますね。

僕自身も、テレビ・映画や舞台の中だけでなく「"自分の素"を好きになってもらえるポイントを作りたい」という思いはあって、Medyを利用する中で、そこを出していきたいなと思っています。

あと何でもそうだと思うのですが、「打席に立たないといけない」と言われるじゃないですか。「とにかく打席に立って、バット振り続けろ」と。

ただ俳優の場合は、打席にすら立たせてもらえないという状況があります。自分で脚本を書いて演技するのかといっても、相手役が必要だったり、それを撮影してくれる人が必要だったりします。そういう意味で打席に立つハードルがあまりにも高い。

だからこそ、「自分にできることって何だろう」「自分から何が出てくるんだろうな」という自分の内側を探すことも、アウトプットの意味なのかなと思ったりもします。

もちろんその分、批判とか誹謗中傷のリスクもあるんですけど、最近ではシステム自体がうまく発生を防いでくれたり、風潮としても「そういうこと(誹謗中傷や攻撃)は、辞めよう」みたいな時代になってきたりしているので、すごく住みやすくなってきてるなという印象はありますね。


漢字の「平埜生成」。カタカナの「ヒラノキナリ」。

ー Medyは利用していただいた背景はどのようなところにあるのでしょうか?
リリースされた際に、知人がTwitterでつぶやいていてMedyを知りました。
そもそも、本当にメルマガがやりたかったんですよね。

そして、手段を考える際に「どうせ始めるんだったら新しいサービスを使った方が、一緒に向上していけるのではないか」と思いました。

サービス側も成長を絶対に望んでいるし、僕もそれを利用させてもらって新しいことに向き合えるというか。

新しいことをやるにはバグがたくさんありますが、そのバグとか未完成なものを楽しみたいという思いがありました。

ー そのような新しいサービスと一緒に成長したい・楽しみたいといったモチベーションは、どのようなところから来るのでしょうか?
「自分の失敗に立ち会える」というのが僕の中での一番大きなモチベーションです。

どのプラットフォームも成熟してくると、失敗できなくなっていくと思います。

TwitterにしてもYouTubeにしても、今更始めても既に模範解答みたいなものがあるので、それに近づこうとしてしまうと思うんです。

たとえば、昔のYouTubeは結構過激なものもあったじゃないですか。

まだ利用者・閲覧者が少ないので失敗がたくさんできて、「この表現は受け入れられないんだ」と学べる余裕があったと思います。けど、今ではTwitterもすぐ炎上してしまうし「自分のこの発言は大丈夫なのかな…」など考えてしまって、うまく転べない。

(僕は)転んで気づくことが多いのに、知られているサービスだと転ぶことができないので、「新しいサービスを使っていっぱい転んでみたい」という思いがありますね。

これは演技も一緒で。10年くらい経験すると後輩ができて、何か失敗しづらくなってくるんですよね。だから ”転びたい” ということが、一番大きいかもしれないですね。いっぱい失敗して、いっぱい発見をしたい。

あと、応援してくれる人を増やしたいっていう気持ちも大きいかもしれないです。自分の知らない世界に行って、そこで出会った人たちに応援してもらえるような人間になりたいと思っています。

ー 平埜さんのMedyでの発信にはコンセプトなどはありますか?
意識しているのは、「素の部分を出したいな」ということです。

"中の人" という言葉があるじゃないですか。平埜生成の"中の人"が見えたら良いなと。

"中の人"が発信しているというのが僕の中のコンセプトで、Medyでは名前をカタカナ表記にしているのはそういう意味を込めています。

(Medyでは「ヒラノキナリ」という名義で活動)


漢字で活動しているときは俳優活動の一環として活動していて、カタカナのときは"中の人"が言葉を紡いでいるみたいなイメージで書いてますね。

でも、まだ素は出し切れてないなというのがありますね。笑

書いていて、うまいことを言おうと思っている自分がいることが、すごく恥ずかしくて嫌です...。

あと、他の発信活動では本心を言わないと決めてて、その代わりに「Medyでは直接的な表現で本心を出せるようにしよう」と思ってます。

以前noteで1回、直接的な言葉を使って後悔したことがありました。

その際に自分の表現力不足を痛感したので、もう少しクローズドな場所で、それこそメールアドレスでログインしないといけないという圧倒的に面倒くさい作業をしてでも見たいという人だけに絞って、直接的な表現で分かりやすい言葉にしようと考えています。

Medyの初回記事でも「俳優活動以外のキャリアを見たくないという人は来ないでください」と書いています。

いろいろなカタカナ活動の中でも、Medyでは直接的に表現していきたいです。

ー noteなどのオープンな場所での発信とMedyの違いは感じますか?

noteで定期購読マガジンを運営することは、とても難しいと感じていました。

ファンクラブみたいな感じで運営していたのですが、「満足していただけるコンテンツを作らなきゃな」といったことを考えてしまい、結構しんどくて結果として辞めてしまいました。

そういった面では、Medyを含めたクローズドな場所で、もう少し気軽にメイキングみたいなものも含めて出していくと、ファンの方にとっても面白いのかなと思っています。

(※編注:平埜さんはeluで宣材写真のNG写真など、裏側やメイキングも発信されています)

また、メルマガの形態は、直接メールが届くのでアクセスする手間が一番短くて、本当に良いと昔から思っていました。

誹謗中傷とか、いいねとかもない。すごく一方通行ではあるんですけど、「もう読みたくないな」と思ったら解約するだけなので、逆に登録してくれている人には受け入れてもらえてるという自己肯定感に繋がるのかなと思います。温かさもありますよね。

ちなみに、クローズドな発信場所にはLINEも考えていました。

ただ、LINEの場合は友だち数が表示されてしまうのと、LINE自体をやっていない人もいることがネックでした。

対して、メールアドレスは携帯電話を持っていたら必ず持っていますし、直接届いた方が嬉しいかなと思っていたのと、過去に劇団に所属していた際にメルマガ運営をしていたことで馴染みもあったので、Medyでのメール配信を選びました。

コロナ禍で見えたオンラインの可能性

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