【限定無料公開】外来診療によく効くBATHE法

今なぜBATHEなのか -無料公開に寄せて-

本書の翻訳・校正を終えた段階で，思いもよらない緊急事態となった。

医療界が新型コロナウイルス一色に染まり，本書のような心身医学的アプローチによる医療面接技法を記した書籍の出版どころではなくなったのである。

ところが感染症対策に奔走する中，私どもの外来にはメンタルの異常を抱えた患者が目立つようになり，コロナ不安症，コロナ恐怖症やコロナ妄想症の患者が日を追うごとに増加した。

また，患者だけでなく，職場の医療従事者にもストレス反応がみられるようになった。

パンデミックは体だけでなく，恐怖心や不安から心も蝕む大禍である。

そこで，シンプルかつ短時間で行えるBATHEメソッドは，むしろ緊急性が高いこのような時期にこそ有用ではないかと思い立ち，出版社のご厚意でここに一部を無料公開することにした。

不安を抱えた外来・入院患者だけでなく，オンラインや電話診療で，あるいは職場や家庭ですぐに使えるこの対話的治療法が，パンデミックに立ち向かう医療従事者の一助となることを願ってやまない。

（2020年5月　生坂政臣）

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このたび小社は『外来診療によく効くBATHE法』（ご監訳：生坂政臣先生）を刊行いたします。

医療面接に用いる「治療的対話技法」を記した本書では，医療従事者の方々が，プロとして患者に寄り添い続けるうえで，ご自身の心のケアに役立つ「セルフケア」の方法についても述べられます。

当該の内容が，昨今の厳しい状況下で献身的な努力をされている医療従事者の皆さまの一助となることを願い，本書の「医療従事者自身の心のセルフケア」について述べた部分を無料公開いたします。お役立ていただければ幸甚でございます。

（MEDSi 編集部）

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〜『外来診療によく効くBATHE法』 第9章より〜