アファンタジア医大生の困難

アファンタジアという言葉を知っているだろうか?簡潔にいうと、脳内での視覚的なイメージを作ることができないことだ。

私はアファンダジアであるために受験、そして大学での医学での勉強など困難があった。イメージ記憶ができないからだ。

1つ目の困難はセンター試験の国語である。

センター国語は、評論、小説、古文、漢文のそれぞれ50点ずつで構成されている。地方の医学部ではセンター試験の配点が高い傾向があるため軽視することができない。

私がどうしてもできないのは、小説と古文であった。

脳内でイメージすることができないので、物語的な側面を持つ小説と古文では話の内容を理解することが難しい。ましてやセンター試験は時間のないテストである。

どうしても国語だけは点数を伸ばすことができず、配点の少ない大学を選んだ。

2つ目の困難は人体解剖学である。

人間の身体は複雑な形をしている。筋肉の左右や上下の並び、神経や血管がどことどこの間を通るかなど位置関係について多くのことを覚えなければならない。

アファンダジアである私は、この複雑な位置関係を脳内で画像として作り出すことができないため、言語化して覚えなければならない。

また、解剖学的な断面として、前額面、水平面矢状面の三種類存在する。

私は脳内で切った断面を想像することができないのですべて覚えなければならない。

私ができないのはあくまで、脳内でイメージを作り出すことだ。思い出は事実としては覚えられるが、そのときの状況がどうだったかまでは覚えられない。

しかし不思議なことに臓器のイメージが作れなくても、臓器のイラストを描くことはできるし、臓器を見て何の臓器か判断することができる。

何故、私は脳内でイメージを作ることができないのか脳神経外科で研究してみたい。

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