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vol.4 タイの医療・福祉制度

タイの医療・福祉制度を知ることで、海外での働き方が生み出せるかもしれない。医療・福祉分野で海外で働きたい方には為になる話ですので最後までご覧ください。


タイの3つの医療制度

1.公務員医療給付(CSMBS)2.社会保険制度(SSS)3.国民医療保険制度(UC)

1つづ掘り下げていく

1.公務員医療給付

公務員・政府被用者及びその扶養家族、公務員退職者に対する医療給付制度。公務員の福利厚生制度の一環として運営されていることから、財源は税である。

受診においては、医療機関の事前登録が不要であり、公的医療機関ならばすべての医療機関で自由に受診できる。


2社会保険制度(SSS)

民間企業の被用者を対象とした社会保険制度である。医療給付はSSSの包括的な給付のうちの1つである。

SSSの包括的な給付・疾病給付        ・障害給付・死亡給           ・出産給付・老年給付        ・児童手当・失業給付

疾病給付の2つの給付方法
1.現物給付
現物給付は医療サービスの提供になり、被保険者(本人のみ)は、事前に登録した医療機関で受診することが可能。

2.現金給付
傷病休業時の給付補填の役割を果たしており、治療にかかる費用とは関係なく休業の有無によって給付が行われるものである。

SSSは従業員1名以上を雇用するすべての事業者が強制加入となっている。
※被扶養者は、UC制度を利用するか、民間医療保健を利用する。

受診において、※1レファーラルシステムの利用を義務付けられていない。したがって、病院で受診する場合も診療所から紹介状を得る必要なく、初診から病院で受診することが可能。

レファーラルシステム;より高度な医療が必要な場合に上位の医療機関が紹介される仕組み

3国民医療保険制度(UC)

「30バーツ医療制度」を前身とする税方式の医療保険制度。外来診療では人頭払いを基本に、登録者(加入者)1人あたりの予算に基づきコミュニティ病院が代表されるCUP(一次医療契約医療機関)単位に予算が配布され、地域で保健・医療サービスを提供している。現在は30バーツの患者自己負担が撤廃され、無料の医療サービスとなっている。

加入者は、CSMBS、SSSによってカバーされていないすべての国民が規定されている。タイの医療保障における国民皆保険が実現したとされている。加入者証明書であるゴールドカードの交付を受け、受診時に提示することで、無料で受診ができる。

受診において、人頭払い方式を採用し、登録利用者数に応じて地域の医療機関に予算を配分するため、利用者は事前に受診する医療機関を登録しその医療機関で受診する。より高度な医療が必要な場合にはリファーラルシステムを採用している。

参考・引用
タイの医療の状況とわが国の医療分野の国際展開支援
唐木啓介

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