江戸川乱歩

 青空文庫というアプリをご存知でしょうか。著作権の期限のきれた作家さんの作品を、無料でダウンロードできるアプリなんですが、今回は、江戸川乱歩の作品がいくつか上がっていましたので、読んだ感想を述べていきたいと思います。作品の選出は、ある程度ネット上で調べた上でのものなので、あまり有名でない作品は選んでいません。皆さんの参考になればと思います。

 作品は5作選びました。押絵と旅する男、心理試験、D坂の殺人事件、二銭銅貨、人間椅子ですね

 今日は、最初の3作品を読んだので、以下、感想です。

 押絵と旅する男。あらすじは、まず、主人公が押絵を抱えるある男と列車内で遭遇します。男の風貌は、髪の雰囲気としわの多い顔の印象とのギャップが特徴的な、いかにも異様な感じです。しかも、生々しい押絵の施された絵を大事そうに持っています。以下ネタバレになりますが、その押絵として絵の中にいる男は実は、その男の兄だったんですね。あることがきっかけで、その押絵の女に恋してしまったその兄が、双眼鏡を逆さにして自らをのぞかせたことを機に、その押絵の中の世界へと入り込んでしまうという、不思議な奇妙な話でした。

 その兄は、体が弱いという設定だったですが、それと相まって、長い間恋い焦がれていた、双眼鏡である時見かけた女が、実は押絵の中の女だったことがわかった瞬間というのは、とても切ないものでしたね。いやー、切なかった。なかなかそういう風に異性に惹かれることもなかったという設定でもありましたからね。うん、切なかった。

 心理試験は、頭のキレる主人公が、ある老婆の所持金を盗むために、あれこれと綿密に犯行を計画し、捜査としての心理試験をも、周到な準備でくぐり抜けようとするのですが、その準備があまりにも行き過ぎたものであったがために、むしろ試験結果が普通以上のものとなってしまい、そこから結局は犯人としてつきとめられてしまうという話でした。純粋に読んでて、事件の展開を推理するのが面白かったですね。

 D坂の殺人事件は、推理小説ものとしては、この作品がこの中では一番楽しませていただきました。ショートショートの推理小説バージョンといった感じで、ちょっとブラックユーモアの効いた作品になっていたと思います。あらすじとしては、ある古本屋でそのお店のおかみさんの殺人事件が起こります。犯人と思われる者の服装や、店への侵入・逃走経路、電燈に付いた指紋のトリックなど、読者をミスリードするような要素がたくさん出てくるんですが、オチできちんと伏線回収されてたし、内容もなくはないのかなって感じだったので、いささかブラックユーモア的でしたが、これもまた楽しませていただきました。あえてオチは伏せておきますね。読んでみてください(笑)

 以上、感想でしたー。終わり。

 

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