32 眼科救急

緑内障:頭痛や嘔吐しか訴えない(目が痛いと言わない)患者がいる。症状は以下の通りである。散瞳・・対光反射は消失または遅鈍。結膜充血・・毛要充血といい角膜全体が充血する。極期には球結膜全体が充血する。角膜・・高度の眼圧上昇時には白濁、曇りガラス様。左右差を見ることが大切。治療にはβ遮断薬や縮瞳点眼薬を使用する。抗コリン薬(ブスコパン等)投与は禁忌。

角膜損傷:損傷が確認できたら、抗菌薬の点眼水を処方して翌日の眼科外来に紹介。例・・エコリシン点眼水、クラビット点眼水

 プロテクターをせずに溶接作業を行った場合等に見られることだが、鉄粉が角膜に食い込んでいて洗浄で取れない場合は眼科医コンサルテーション。

その他、緊急を要する眼科疾患としては、網膜中心動脈閉塞や化学熱傷である。網膜中心動脈閉塞は、突然の一側の無痛性視力消失をきたす。対処としては、眼球の圧迫と解除を5秒ごとに繰り返す眼球マッサージやPaCO2を上げるために行う袋での再呼吸等がある。強い酸やアルカリによる化学熱傷に対しては、水による洗浄を行う。アルカリの方が重症である。

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