28 中毒・異物誤食

胃洗浄、催吐が有効な患者は少ない。以下の場合は禁忌である。強酸や強アルカリを誤飲した場合、意識がない場合、痙攣がある場合、灯油やガソリンを誤飲した場合、等である。服毒の治療で最も有効性が認められているのは活性炭である。

有機リン中毒は高血圧性脳幹(橋)出血と誤診されやすい。なぜなら、どちらも縮瞳(pin point pupils)をきたすからである。縮瞳をきたす疾患は一般的に、1麻薬中毒、2橋出血、3有機リン中毒があるが、1は日本では多くなく、2は見つけられたとしても予後不良、したがって3の有機リン中毒は特に見逃してはならない疾患であることがわかる。治療には、有機リンの拮抗薬にあたる硫酸アトロピンを使用する。

異物誤食の中でも、ボタン型電池やPTPは特別扱いである。なぜなら、ボタン型電池は食道などに引っかかると、通電を起こし、粘膜を焼いてしまう恐れがあるからである。PTPも食道損傷や結腸穿孔をきたす恐れがある。

一酸化炭素中毒は病歴から判断すべし。パルスオキシメーターは役に立たない。酸素は一酸化炭素に対して拮抗薬のような動態を示す。リザーバー付きマスクで12〜15L/分投与する。

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