「どうしてひとはきょうりょくするの?」
少女は父に問う。
『それはだな…人はたった一人だと、たとえどんなにすごくても孤独で怯え縮んでいってしまう。それに数の多い敵に負けてしまうから、一人だと弱いんだ。』
王は答えなから召使い達共を足早く働かせ急がせる。
『人は…誰でもな……。』
王はたっぷりと蓄えた自らの髭をすりすりしつつ何か遠のいた目つきでぼうっと思想にふけりその周辺をのそのそうと練り歩く。
飾りをつけ終えた召使いが一息がてら王を見て
「ひげでか」と言おうと口に出しかけたとき王はめっちゃでかい声で「あ!!!」といった。
(お、怒られる…?)
彼は咄嗟に身構えた。
 …と思えば王は宮殿の飾りの順番が間違っていることに気がついたようだった。
その飾りを担当した召使いとそのエリア担当のリーダーをわざわざ時間をかけ探し、呼び出し、長い説教かと思えば二人に軽い指摘をして解散した。
あの飾りの間違いなかなか気づきにくい所だ。
「ほんの順番が一個違うだけなのに…」と、飾りつけの遠くのメイドがコソコソと話すと、
王は決して怒ってはいないが少々大きめの声で
「ダメェ。」と幼稚な声質で周囲の気体をぶっ飛ばした。
「彼の地獄耳の噂はホントだったのかよ…」
「そんなところどうでも良いでしょうって感じで言いたくなりそうでも彼はこういうところをきちんとする人だ。」
「あらそこの二人。」
「あ、」
「マイニーさん!」
「お疲れ様です!」
「おぅかれぇっす、(立ち食い中)」
「王様の完璧癖の話?」
「あまぁ……そんなところです…ね。」
「だったらちょうどいいわ、あの方、この前いらしてたあの方!王様は客人が急にいらっしゃったのに話も聞かずに服の家証がうまく決まらないって言って、三時間も待たしてたから『王様が体調を崩されているのでまたいらしてください』って言って帰らしたのよ!あれは病気ね。…でも。それ以外はとっても良いのにね。」
「ですねー」
「俺もああいう王様になりテェなぁ〜」
「だったら立ち食いやめても宜しくてよ?」
「ウッ…やめられねぇんすよこれg」「ところでマイニーさん、それ王に言ったんですか?」
「いいえ。それがどうかしたの?」
「王様って…地獄耳でしたよね…?」
「あ」「あ」「あ(立ち食い中)」
王「あの時帰っちゃったってマジ?」(めちゃ近くにもう居る。)


…王という立場は大味な動きを求められるというのに。この王はどうやら何かが違うようだ。
召使いを動かして何をしているのか。
 翌日迎える娘の生誕記念日の準備の為だ。
とはいえ最近は経済があまり回っていないのか
王の使える手持ちは隣国などの帝国軍や宗教団体に比べて明らかなミニなパーティーでした。
でも、王はこんな世界でも娘には希望を持って進んでほしいから、準備に力を入れまくり力みまくり。
にしても規模がそこまで大きくないの。少人数なのだ。いつもの知り合いの貴族や軍人であるギンガ、リッシュ、カンジキ。あとは農業科の最高峰者一人。後はちょろちょろ貴族のゲストが来るか来ないかとかぐらい。
なので沢山の食物を配膳する要目もイベントもそこまでの規模となる。
まあ…周りの国の祝いの規模がお火災。
王族属性の祝いはやたらと艶や光沢を溜め込むいかにもなシェフがいかにも作った完璧と言える料理を展開するスキル(性格)やら、
とにかく祝い人の数とイベント規模をばかでかくする謎バフを持っているものだろ。多分。

王はお金がないのをわかっているからお金をあまりかけずに考え、宮殿を彩るデザインを考案する。

演劇、運動ゲーム、飲食店をおく、輪投げ…。
縁日かな?でも結構しょぼいんだよね。でも、どこか、こう…整ってはいないが粗だって目立つ手作り感がこう…味わいをさりげなく演出しているような独特な雰囲気を出している。
やっぱり変わった王である。
当日、王は大興奮のわくわく娘に手を引っ張られ、1日限定宮殿縁日が始まった。

二人は幸せだ。だが、召使いはどうだろうか。薄給で働き詰めだったのだ。
だのに笑顔だった。裏でも良い汗を流して気持ちよさそうにやりがいを持って働いている。
大半の人が満足できているのだ。
そうか、この国は平和なのか。よかったよかった。

ただ…その後隣国から襲撃されるまでは…,




………。
(私は今日も考えちゃってる。
あの漫画ゲームの頃の生活を。
ホームシックっていうのかなぁ、これっ…。)
少女はクズに電車事故に巻き込まれ、クールな無愛想勇者に助けられてそのクズが即興で開設した簡易医療場に何故か療養されておられる。
{なんで…?}と、電車を運転していた思念体もこの状況に若干引いている。

少女は今朝も昔のことを思い出してしまう。

あの父と話した素朴ながらも代えのない楽しかった思い出を…。夜な夜な寝付けずに…今も。


作品: 『「クールな勇者とその仲間達」という漫画』○【kの単n語8伏せrれ削まシタ】○寄り道で収まるシリーズbyゲーム…内における「こうはん」の「○【削除済】○電車ガチャ(仮名称)」内排出内容クエスト「どうぶつきんぐだむ」より抜粋

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