傍中心暗点は緑内障の病態から理解しよう!
眼科の山の1つが視野計と疾患の組み合わせですよね。特に緑内障では傍中心暗点や求心性視野狭窄、輪状暗点など様々な像を呈します。覚えるの大変ですよね。
ですが、緑内障の病態と暗点ができる仕組みを理解すれば覚えなくて大丈夫です。
緑内障の病態
緑内障は、房水の出口である隅角の閉塞や線維柱帯の閉塞により、前房に房水が溜まり過ぎて圧力が高くなる疾患です。正常では<21mmHgの眼圧が40mmHg~80mmHgまで上昇する場合もあります。
傍中心暗点の機序
病態を踏まえると、緑内障は房水が眼球を眼底方向に圧迫する病気です。すると、眼球は眼底に押し付けられて次の図のように圧力がかかるはずです。
この圧迫部分に見覚えはありませんか?次の図は国家試験(110E50)の傍中心暗点の視野計です。
つまり、緑内障の傍中心暗点はカップ状の眼底に眼球が押し付けられて、圧迫部分がちょうど傍中心に一致するために生じるのですね。
これが分かると、緑内障が重度になると、まるで求心性視野狭窄のように中心を取り囲むように圧力がかかるし、圧力のかかり方によってはきれいに輪状に圧力がかかり輪状暗点になることも理解できると思います。
補足:視神経炎のラケット状暗点の機序
ついでに、視神経炎では、Mariotte盲点から伸びるようにラケット状暗点を示します。これは、Mariotte盲点が視神経管・視神経に一致するので、そこから伸びるように視野障害が起きるのです。
このように、障害が起きる仕組みが分かれば、緑内障は求心性視野狭窄・傍中心暗点・輪状暗点…と別々に暗記しなくても大丈夫ですね・
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