なぜ他の肺炎では湿性咳嗽が起きるのにマイコプラズマや百日咳は“乾性”咳嗽なの?
通常の肺炎では湿性咳嗽やcoarse cracklesがみられますが、マイコプラズマやクラミジア、百日咳ではなぜか乾性咳嗽です。なぜこの違いが生まれるのでしょうか?
これはマイコプラズマや百日咳、クラミジアが痰を産生する線毛上皮に感染し、痰を出す機能を障害するためです¹。おそらく生存戦略の1つなのでしょうが驚きですね。
余談ですが、マイコプラズマと百日咳の外毒素に共通点があることが示唆されていて、M. pneumoniae は外毒素を産生しないと考えられてきたが、近年M. pneumoniae のゲノムに百日咳毒素様の遺伝子が存在することが明らかとなり、community-acquired respiratory distress syndrome toxin(CARDS TX)と名付けられています²。
参考
1)https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/106/9/106_1916/_pdf
2)https://www.niid.go.jp/niid/ja/allarticles/surveillance/2123-iasr/rel
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