悪いこと。

をするってとても大事だな、と思います。
悪いこと、と言っても
殺人とか強盗とか法に触れることではなく、
いたずらとか周りに迷惑を掛けることではなく。

簡単に言うならば、
緊張で普段から律している自分を
少しだけ許してあげること、
少しだけ甘えてあげることでしょうか。

京セラの名誉会長である稲森和夫氏が
「常に人のために行動し、自己犠牲に徹する」
といったポリシーを持っており、
それに私は半分は賛同出来るのですが、
半分は異議を唱えたいところがありまして。

普段から人のために行動する、
そのようなスタンスを皆さんが持っていると、
自分の行った行動が巡って良いこととして
自分自身に帰ってくる、と。

確かにそうなのですが、
それだと「他人からの見返り」だけで
自分自身を保っている?ようにも感じて、
そのサイクルが回らなくなったらどうするのか?
が一切考えられていないな、と思いました。

そのサイクルだけで上手く回れば
もちろん理想なのですが、
たとえそのサイクルが死んだとしても、
ほんの少しだけ自分に甘えることで、
人間として生きていられると思います。

ここ最近やった私の悪いことといえば。
卒研で追い込まれていた1月に
家族に秘密でShiggy Jr.のライブに行ったことです。

その時は本当に精神的に限界で、
親には結果を残せなかったことを
何回も何回も謝ったし、
助教には卒業出来ないと脅されて、
自分自身が保てなくなっていました。

そこから見返りのある行動をしろ?と。
出来たらもちろん理想ですけど、
当時の私には無理だった。

その日だけはこっそり抜け出し、
クラブクアトロに行きました。
そしたら、流れてくる幸せなメロディーよ、
観客との一体感よ。

身体は全くってほど動けず、
もたれないと立ってられないほどだけど、
この空間だけは行きたいって思った。

手も肩より上には上がらなかったし、
手拍子も出来なかった。
それでも、後半には
自然と足でリズムを取っている私。

本当に幸せだった。
とある建物のとある階だけ異空間。
でもそこに入れば疲れも全部消えて、
ネガティブな気持ちも無くなっていた。

そして、ライブ後にワンドリンクで
交換したビールがものすごく美味しかった。
普通の発泡酒なのに。
久々に飲んだ、ってことはあるけど。

私は当時23歳だし、電車で来たけど、
ものすごく悪いことをしている気がした。
それがとても気持ちよかった。

現実から目を背けているだけかもしれない。
いや、だけでしょう。
ただ、必ず戻ってこれる、
という確信があるから
とても気持ちが良かった。

今まで飲んだビールの中で
一番か二番で美味しかった。
感覚でいうと、仕方なく食べる残飯でも
かなりの空腹で食べると美味しいような。
飲んでいる時は魂が宙に浮くような気がして
とても気持ちが良かった。

本当に大事、法やモラルに触れない悪いこと。
悪いこと、たまにはやりましょうよ。
ドカ食いしたり、ゲームしたり、夜更かししたり。
それで自分自身が保てるなら。

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