#01 はじめのバード - Little Tern (Red)

はじめに

昔から、なぜかガラスが好きだった。

なぜかはまた深く考えるとして、思えば最初に一人暮らしを始めた時に買ったダイニングテーブルも、その後引っ越して買ったローテーブルも、ガラスの天板。ガラスの食器も、おそらくつっこまれるほどたくさん持っている。

そんな私が2007年に出会った、オイバ・トイッカ(Oiva Toikka)のバード、Birds by Toikka。
さまざまなバリエーションを持つバードたちに魅せられ、以来コツコツと集めること十数年。昨今のコロナウィルスにより自宅にいることが増えたため、改めて数えてみたところ、50羽を超えていた。

振り返ると、何かに熱をあげることの少なかった私にとっては、十分すぎるほど「熱をあげている」といえる、50羽超のバードたち。
備忘も兼ねて、それぞれのバードとの出会いと、ごく個人的な思いを書いてみる。

(写真)家の一角にあるキュリオケースに鎮座するバードたち。

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Little Tern (チドリ目カモメ科 コアジサシ / 1996年発表)

第1回はもちろん、最初に手に入れたバード、赤いLittle Tern。

2007年はじめの冬、私は当時ヨーロッパ某所に住んでおり、高校時代の友人(今もとてもよい付き合いをしている)とフィンランド・ヘルシンキのヴァンター空港で落ち合うことになっていた。
空港で落ち合うということそのものが、当時の私にはとても新鮮で、ワクワクしていたことを覚えている。
・・・実は、その時あったことで覚えているのは、件のワクワクした気持ちと、「これ、好きなんじゃない?」と言って、バードを指差してくれた友人の言葉だけ。(周りにあきれられるくらい、過去のことを忘れているタイプ)

iiittalaというブランドも、北欧インテリアのことも、確かほとんど知らなかったはず。それでも直感的に、「あ、好き」と思った記憶はある。
当時のレートで8,000円くらいだったろうか(この頃は、確か2007年夏に向かって円安ユーロ高に向かっていく最中で、当時にしては割高だったのかもしれない。今はそれが懐かしく思えるくらい、バードの価格そのものが高騰している)、「空港で落ち合ったことも、さすがに思い出せるかな」という気持ちで購入した。

その後、ヨーロッパ、日本と、私のいる場所に常にいてくれる、原点のバード。
50羽もいると、さすがにすべてのバードを飾るわけにもいかず、何かの折に入れ替えているのだが、今の今までレギュラーを守り続けている。

バードにはいろいろな分け方がおそらくあり、その1つとして透過性の有無がある(光や照明などにあてると、色のある影や輝きをはなつ)。どちらかというと、今でも透過性のあるバードにひかれる傾向があるのは、たぶんこれが原点だから。

そして、今は作られていない、赤という色(2020年5月時点で作られている赤系Littel Ternはクランベリー)。いろいろな情報を調べてみると、1996年に発表されたLittle Ternは、ブルーやラスターなどさまざまな色で作られていたようで、赤のLittle Ternは2005年に追加され、2014年にクランベリーと交代するまで生産されていた。手に入れたのは2007年初めだから、生産期間中の割と早い段階で手元に来たことになる。
ちなみに、Little Ternで手元にあるのは、この赤とアメジスト。

(写真) 大きさ(くちばしから尾まで)12cmくらいと、コンパクトな部屋でもすっとなじんでくれる。色は、かなり鮮やかな赤。形も、Birds by Toikkaにとても多い、頭・シンプルな胴体・尾での構成。

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(下の写真)バードのいいところは、単体でも、複数(群れ)で飾っても絵になるところ。2008 Annual Bird(1996年以来毎年発表されている、その年にのみ生産されるバード。Annual Egg、Annual Cuberもある)のCucunorと一緒に。両方とも暖色系なので、しっくりくる。また、赤いLittle Ternに緑系のバードを合わせると、オーソドックスなクリスマスに。こうして、バード同士の組み合わせを考えるのも楽しい。
いつか、手元のバードを全部並べて、撮影したい・・・

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前の方でも触れたとおり、Little Ternは色を変え、現在まで作られている(おそらく)数少ないバード。
そう、発表されたと思ったら、いつの間にか生産終了となったり、数量や販売地域限定のものが多数存在するのも、Birds by Toikkaの特徴。そのため、ようやく買える!(主に資金面)となった頃には生産終了で、オークションサイトやヴィンテージショップなどでたまに見るくらい、となっていることも多い。一度生産終了になると、素人の知る限りでは、めったなことでもなければ、それでおしまい。
買う機会を逃して、いまだにお目にもかかれないバードもいれば、その後縁があって(という表現もゾワゾワするけど、そういうことにする)我が家にいるバードも。
というわけで、手元に置きたいと思ったバードは、今は可能な限り逃さず入手することにしている。そんなこんなで、

自分のその時の気持ちとリンクして、手に入れられたりそうでなかったりするのも、過去をよく忘れる自分と過去を、バードがつないでくれるのかもしれない。

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