Z世代“のぞき魔”の最新手口…ドアスコープ越しにのぞき見、郵便ポストから盗撮の仰天

のぞき見常習犯のZ世代は、玄関のドアスコープとドア設置の郵便ポストを悪用し、単眼鏡とスマホを駆使して繰り返し欲望を満たしていた。

 長野地検は12日、県迷惑防止条例違反の疑いで青森県青森市の無職の男(22)を書類送検。2022年11月~23年7月の9カ月間、長野県茅野市のアパートで玄関のドアポストにスマホを差し入れて女性を盗撮したり、ドアスコープ越しに裸をのぞき見した疑い。男はアパートの元住人だった。

 22年11月1日夜、男は同じアパートに住む20代女性宅のドアに設置されたポストに、充電ケーブルに差したままのスマホを差し入れ、宙吊りの状態で女性の裸体を盗撮。撮影後、充電ケーブルを引っ張り、スマホを回収していた。変な物音に気付いた女性が「玄関の外で物音がする」と通報し、警察官が駆け付けたが、原因は分からなかった。

 後日、別の女性から「物音がする」と再び通報があり、不審な男が浮上。捜査を進めると、男が単眼鏡を玄関のドアスコープに押し当て、のぞき見をしていたことが判明した。現場は比較的大規模な集合住宅だった。

「本来、ドアスコープは室内から外の様子を確認するもので、内部を見ることはできませんが、単眼鏡を逆にして見ると家の中をのぞき見ることができます。被害女性の部屋は玄関を開けると部屋の中まで見える構造で、男は自分の部屋と同じだったことから犯行を思いついた。ネットでスマホの盗撮方法と単眼鏡を逆にする手口を知り、いずれも夜間、犯行に及んでいた。実際に自分の部屋で郵便ポストからスマホを差し入れる練習をしてから、実行に移していました」(捜査関係者)

 Z世代の執念たるや恐るべしだ。警察が男のスマホを押収して画像を解析したところ、11月1日の犯行を含め、女性2人の裸を盗撮した動画が保存されていた。男は「女性の裸をのぞき見たかった」と供述。捜査終了後、アパートを引き払い、青森に転居した。

■地元警察署が注意喚起

 茅野警察署の担当者はこう注意を呼びかける。

「警察官ですらこの犯罪を知り、そんなことがあるんだと思ったぐらいです。部屋によっては玄関先で着替えたり、風呂から出て体を拭くスペースになっていることもあります。玄関ドアに設置されている郵便ポストがどんな形状なのか確認し、目隠し用のドアポストを取り付けるなどの対策をしていただきたい。ドアスコープも専用のカバーで内側から目隠しをして欲しい。家の中は誰にも見られたくないプライベートな空間。これらの手口は悪意を持って検索しない限り、皆さんは知りませんので、知らないまま誰かにのぞかれている可能性があります」

 ネット上で手口が拡散されていれば、すでに同様の手口で犯行を繰り返す悪党が存在し、さらに模倣犯が出てくる恐れもある。のぞき見を防ぐには自衛するしかない。