寺下 滝郎。訳書にウォルター・ラッセル・ミード著『神と黄金―イギリス、アメリカはなぜ近現代世界を支配できたのか』(青灯社、上下巻)。二つのG、神(ゴッド)と黄金(ゴールド)の特殊な接合にある。資本主義と結託した特異なキリスト教こそが鍵。

なぜイギリス、アメリカは近現代の世界制覇を成し遂げることが出来たのか。その海洋国家システムや宗教的定め―変化を受け入れ、促進し、加速させること―などの視点から、大スケールで分析する注目作

大澤真幸氏すいせん
十七世紀以降、英米(アングロ-アメリカ)は、一度も負け組に回ったことがない。どうしてそんなに強いのか?
本書がその問いに答えている。秘密は、二つのG、神(ゴッド)と黄金(ゴールド)の特殊な接合にある、と。つまり、資本主義と結託した特異なキリスト教こそが鍵だ、と。


「アングロ・アメリカン国家の特徴は、宗教、理性、そして伝統が対立をはらみながらも、バランスを保ちつつ切磋琢磨することにあるとする。
大胆でありながら様々な論点に目配りの効いた巨視的歴史分析の傑作である。」(田所昌幸・慶応大学教授、読売新聞2014年8月17日)

「毎年のように夏の休暇をロンドンで過ごしてきたせいか、大英帝国と現代のアメリカの覇権が一続きの世界帝国のように思えていた。しかも、それがかつてのローマ帝国の覇権とどこか重なって見えるのだった。その個人的な感慨が本書の基調を奏でるのだから、ひたすら読みふけるしかなかった。」(本村凌二・早稲田大学特任教授、毎日新聞2014年7月27日)

その他の書評:
朝日新聞(水野和夫・日本大学教授)、
共同通信配信(山内昌之・歴史家)、
文芸春秋(野口悠紀雄・経済学者)、

寺下 滝郎(てらした たきろう)Takiro Terashita

翻訳家

1965年広島県呉市生まれ。学習院大学法学部政治学科卒業。東洋英和女学院大学大学院社会科学研究科修了。訳書にウォルター・ラッセル・ミード著『神と黄金―イギリス、アメリカはなぜ近現代世界を支配できたのか』(青灯社、上下巻)などがある。主に外交評論、人文・社会科学系の学術論文などの英日・日英訳。