傾向スコアとSMD 00852

傾向スコア (propensity score, PS): 共変量(説明変数)から傾向スコアを計算する。2群で傾向スコアが同じあるいは近いペアは対応するペアとしてマッチングすることができる。こうすることによって、2群に差があるような場合に、差が出ないような部分集合を作って比較可能にする。
標準化平均差 (standardized mean difference, SMD): 平均差を、分散(厳密にいうと、分散の平均のルート)で割ったもの。


さて、この査読では、背景データに SMD が記載されていた。2群の比較にt検定やχ二乗検定ではなく、SMDだけが載っていた。また、連続データだけでなく、カテゴリデータにもSMDが記載されていた。

おそらく、筆者らが既往研究を参考にした際、それらには傾向スコアマッチングがなされていたため、SMD が掲載されていたのだろう。それをそのままマネ、、していればよいのだが

ところが、査読論文は傾向スコアマッチングなどしていない。

SMD は、0.1 未満であれば両群の差はないものとみなすようである。この査読では 0.5 があったが、まったく気にせずに比較していた。

SMD 値が高いと指摘しつつ、傾向スコアマッチングしないのであれば、t/カイ二乗のp値を載せるべきとコメントした。(Table 1に p 値は不要という意見もある。)

R の tableone には、関連する vignette がある。

傾向スコアと SMD の論文の例


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