定規のたわみ
CAEを使って解析対象物の応力や変形を計算していると、対象物がどうなっているか検証が必要です。(V&Vともいいます)
企業、公共機関、大学の研究所で使用しているような機材があるとよいのですが、高価でプライベートでは購入するのに躊躇すると思います。
身近にあるもので、CAEによる計算と実測をおこない、両者を比較しました。
<使用ソフト>
・モデル作成とメッシュ作成:SalomeMeca2021 for windows
・解析条件の設定、解析、解析結果の確認:PrepoMax ver.1.3.4
1.実験
市販の定規の一端を固定して、定規自身の自重でたわませました。
定規:1m定規(メーカー、コクヨ、35mm x1035 x t1.5、SUS400系)
長さを調整して900mmに合わせました。
定規の変形は、下図のように幾何学大変形に分類される非線形解析に該当します。
2.解析
板寸法:35mmx900mmx1.5mm
メッシュ:四角形1次要素
拘束条件:定規の片側固定、片側フリー
ヤング率:200000MPa
ポアソン比:0.3
密度:7.78g/cm3
解析:構造解析(幾何学的非線形)
出力:先端のたわみ
3.解析結果
実測と解析の結果は、近い傾向をしていました。
Y方向変形(たわみ) 実測:166mm、解析162mm
X方向変形 実測:16.89mm、解析22mm
4.まとめ
実験による実績とCAEによる計算結果を比較すると、おおよそ近い傾向になりました。
手持ちの機材で実験を行い、フリーウェアのCAEを使っても、CAEの計算結果と実験結果の比較ができました。
本来であれば、データ数を増やすと長さを変える等はありますが
OpenCAE学会シンポジウム2023の際に指摘があったのは、
・拘束条件を片側を完全拘束としたが、厳密には検討したほうがよい。
・理論式があるから確かめておいたほうがよい。
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