CCTV虫の目レンズのススメ ~巻ノ参~CCTVレンズ選定編~
本記事シリーズはCCTV虫の目レンズのセットアップについてご紹介しています。
本記事は前記事の続きとしてCCTVレンズの選定について説明していきます。
前記事を読んで頂けていない場合は、先にそちらを読んで頂くことを推奨します。
CCTV虫の目レンズのススメシリーズ
私自身、光学に関しては素人であるため、用語・知識等間違っている箇所等あると思いますので、ご指摘頂けると幸いです。
拙い文章ではありますが、お手すきの際にムダ毛でも抜きながら流し読んで頂き、虫の目レンズに少しでも興味を抱いて頂ければ幸いです。
ご意見・ご質問はTwitterで受け付けております。
※記事中で紹介するパーツに関してはページ下部にまとめてリンク含めて掲載させていただきます。
※当記事を参考に改造等を行って機材の故障等があった場合、此方は一切の責任を負いませんので自己責任にてお願いします。
※2024/5/16
おすすめCCTVレンズの項目を一部加筆修正
CCTVレンズの選定
どのCCTVレンズを選択するかによって拡大系の必要倍率、得られる画角が変わっていきます。
私の場合、CCTVレンズは基本的にAliExpressという海外通販サイトにて購入しています。
Amazon等でも購入できますし数百円程度から購入できます
○スペックの見方
CCTVレンズの販売ページを見ると、色々と書いてありますが重要なのは以下の項目です。
・焦点距離
・対応センサーサイズ
・画角(Field of view,Fov):記載していない場合もある。
F値に関してはしっかりと検証はできていませんが、そこまで気にしなくて大丈夫だと思います。
5MPや12MP等、対応画素数が記載されている場合もありますが、5MPでもそれなりに解像するものもあるため、解像度に関しては実際に使ってみないとわかりません。
まず焦点距離と対応センサーサイズですが、これら二つがわかれば後者二つは記載されてなくてもなんとかなります。
CCTVレンズの焦点距離は対応センサーサイズに合わせた表記なので、画角を知りたい場合はフルサイズ換算する必要があります。
具体的な例を下記に記します。
○焦点距離5mm、F1.4、対応センサーサイズ1/1.7型。
・拡大系の必要倍率
1/1.7型のセンサーサイズは7.5mm×5.6mmです。
例えばこれをマイクロフォーサーズ判でケラレがないように虫の目として運用する場合は
フォーサーズ判長辺17.3mm ÷ 1/1.7型長辺7.5mm = 2.3倍
となり、最低2.3倍の撮影倍率が必要であることが算出できます。
・画角
1/1.7型は長辺7.5mmなのでフルサイズ判に換算するには、
36÷7.5=4.8
と4.8倍する必要があります。よって、
5×4.8=24mm
となり、24mm相当(84°)の画角であることがわかり、イメージしやすくなります。
ただし、レンズの歪み度合いによっては画角も変わってきますので、画角の記載がある場合はそちらを参考にした方が確かです。
対応センサーサイズとそれに応じた倍率を記した表を載せておきます。
※魚眼CCTVレンズに関しては拡大系の必要倍率が変わってきます。
魚眼CCTVは円周魚眼設計のため、ケラレが無いように撮影しようとすると更に倍率を稼がなければなりません。
上記の計算を見て対応センサーサイズが大きい方が撮影倍率が低く抑えられてて良いではないかと思われるかもしれませんが、その限りではありません。
対応センサーサイズによりそれぞれ特徴があります。
※被写界深度に関しては、実焦点距離が短いことから深くなると言われていますが、必要撮影倍率が大きくなることの差し引きで実際どうなのか、疑問を抱いている最中でまだ検証はできていません。
私は上記を踏まえ、使い勝手の良さから対応センサーサイズの大きいものを優先して選択しています。
これらの情報を踏まえて、CCTVレンズを選択してください。
参考:画角の違い
以下のような撮影環境で、私のおすすめCCTVレンズを用いて撮影を行いました。CCTVレンズ選定の参考にしてください。
多少構図がずれてしまっている点等はご容赦ください。
撮影条件は以下の通りです。
・撮影機材:OM SYSTEM OM-1 + M.ZD 90/3.5 + DCR-250
・WD:約2cm
・SS:1/320
・絞り:F11
・ISO:200
・WB:5400K固定
・ストロボ:GN32-1/16発光
・ディフューザー:ケンコー 影とり SDF-26
・現像:プロファイルAdobeカラー、他調整なし
○2.8mm,F2.8,1/2型,5MP
換算焦点距離約15.75mm
前玉径が小さいながらもイメージサークルが大きく、扱いやすいレンズ。
解像度はそれなりに良い。
仕様では画角が対角175°あり、かなり超広角で所謂虫の目レンズらしい画を撮れる。
○3.2mm,F2.0,1/1.7型センサー用,12MP
換算焦点距離約15.36mm
前玉径が大きく、ライティングが上手くできていなかったことをお詫びします。
前玉径が大きいため、被写体を選ぶレンズであるが、それでも通常のレンズよりも断然小径である。
参考画像ではわかりにくいが、解像度は高め。
画角は対角160°あるので、歪みも大きく、楽しい画が撮れる。
○5mm,F2.0,1/1.7型センサー用,12MP
換算焦点距離約24.0mm
画角としては標準的な広角のレンズ。
超広角のように画に癖はないが、故に使いやすい画角とも言える。
解像度は良好。だが、実際の撮影に持ち出すといまいち歩留まりが悪く、2.8mmの方が歩留まりが良いため、使用頻度は落ちる。
中心から外れると画質がガクンと落ちる。
現在は後述する4.5mmCCTVを使用
◯4.5mm,F2.0,1/1.8型センサー用,8MP
換算焦点距離22.5mm
画角として標準的な広角よりやや広い。
解像度もあり、周辺画質も比較的良好。
前玉径が若干大きいのが難点だが、大小様々な被写体に対応できる。
○8mm,F2.0,1/1.7型センサー用,12MP
換算焦点距離約38.4mm
準広角画角のレンズ。今まで触ってきたCCTVレンズの中で画質はダントツ。
所謂虫の目らしい画角ではないが、撮影の仕方によってはパースを効かせることもできる。
組み方にもよるが、画幅17mm程度の高倍率撮影も可能で、実焦点距離が短いという虫の目の特徴から、被写界深度も稼げる。
ハエトリグモ等小さい虫をそれなりの大きさで写しながら、空を背景に入れたりもできるので、汎用性が高い。
以上が私が主に使うCCTVレンズ4本ですが、使用頻度として高いのは8mmと2.8mmです。
これらのレンズは予め中間リング長を調整しておき、レンズ交換の要領でその場で付け替えることができるようにしてあります。
左から直角プリズム式、3.2mmCCTV、2.8mmCCTV+拡大系、5mmCCTV、8mmCCTVになります。
購入先
○おすすめCCTVレンズ
・2.8mm,F2.8,1/2型,5MP
・3.2mm,F2.0,1/1.7型センサー用,12MP・5mm,F2.0,1/1.7型センサー用,12MP・4.5mm,F2.0,1/1.8型センサー用,8MP
・8mm,F2.0,1/1.7型センサー用,12MP
○その他
・アリエク Cマウント用リアレンズキャップ
あると便利です。
一旦終わり
以上でCCTV虫の目レンズセットアップのご紹介を一段落させて頂きます。
ここまで駄文にお付き合い頂きありがとうございました。
虫の目レンズにご興味を持った方、是非手を出してみてください。
新たな沼があなたを待っています!!
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皆様の”お気持ち”も受け付けております(笑)
まだ細かい点(色収差に対する色消しレンズの使用、内面反射防止の話、手ブレ防止機能が使えない等)についてご説明できていない部分があるので、近々で追加の短い記事を出す予定です。
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