スカルラッティ:ソナタホ長調K.380(L.23)
長野県に住んでいたころ加入していた「室内楽を愛する会」の企画で、ピアニスト三舩優子さんのリサイタルが開かれたことがあった。
その時のプログラム1曲目がスカルラッティのEdurのソナタ K.380(L.23)で、それがこの曲を聴いた最初の体験だった。
冒頭の特徴ある主題が高音域で鳴らされた途端、その美しい音色に惹き込まれてしまった。
ドメニコ・スカルラッティは、バッハ、ヘンデルと同じ1685年生まれなので、チェンバロのために書かれた曲なのだが、現代のピアノとの相性が良く、ピアニストの繊細なタッチが見事に生きてくる。技巧的には難しくないのだが、多くのピアニストによって弾かれてきた人気曲。
スカルラッティのソナタは、古典派以降のソナタ形式を含む複数楽章からなるものと違い、単に器楽曲という意味。単一楽章で余り長くなく、楽譜にして4ページほどの気楽に楽しめるものが多い。
作品番号のK.はカークパトリック(Karkpatrick)、L.はロンゴ(Longo)の頭文字。
ベートーヴェン以降、作曲家が自ら作品番号を付けるようになったが、それ以前の作曲家については、研究家によって整理番号が付けられている。スカルラッティの場合、2種類の作品番号が付けられているが、最近では新しく整理されたカークパトリックによるものが使われることが多い。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?