今こそ学習者を救うのはオンライン学習だ!~MOOCsの歴史~
日本も世界もコロナ一色な2020年2月現在。
日本の学校は休校要請がでたりでNYからそのニュースを見て驚きっぱなしです。なかなか日本の情報が入ってこないから状況についていけていない。
見通しが立たないこの状況で、現在「オンライン学習」への関心も同時に高まっています。
オンライン学習ができれば、休校になっている小中校生はもちろん、この状況を乗り越えるのに本当に役立つと思う。
今ちょうど大学院で Online teaching & learningという授業を履修しているので、今日は歴史含めた変遷と理論をご紹介します。(今後何回かにわけてオンラインシリーズは続きます!)
オンライン教育の変遷
MOOCsという言葉、ご存知でしょうか。
Massive Open Onlince Coursesの略ですが、現在はMOOCsという呼び方は消えつつあり、Open Online Coursesと呼ばれています。(理由は後ほど)
こちらの Stephen Dewnes さん (ダンブルドア?)と
George Simens さんの二人によって2008年に初めて MOOCsというものが世に広まりました。
Connectivism learning theory (連結主義)とは
これからのオンラインが用いられる新しい時代に必要となる新しい学習方法が George Simmensさんが唱えた Connectivism learning theory という学習理論です。日本語では連結主義と訳されますが、
自立性、多様性、公開性、相互作用性に基づき、「特定の分野、テーマに対し興味を持った個人が、世界中の学習者と繋がって学びを共有する場を提供する」(関島. 2014)
が調べたところ一番わかりやすい説明でした。
今まではクラスのなかで先生、同級生など限られた学びの資源しかなかったのが今ではオンライン学習ツール、ブログ、インターネット、知恵袋などなどあらゆるツールがある、この新時代にあった学習理論が Connectivismなのです。
MOOCs の変遷
2008年に誕生したMOOCsは世界中のひとがアクセス可能、無料でオンラインで学べるというものが全面の売りでした。
そして2011年、とうとうあの名門スタンフォード大学がofficialなプラットフォームを設立。初めてこの立ち上げにかかわったのがこの方、
後にあの有名な UDACITYを2012年に創立した Sebastein Thrunさん。
大学に入学しなくても、スタンフォードやハーバードなどの世界トップの授業を無料で受けることができる、という革命が起こりました。
そしてそこから一気にOpen online coursesのブーム到来!
2012年には先ほど述べたSepastein ThrunがUDACITYを開設。
そして続けて同じ年にスタンフォード大の教授たちが Courseraを開設。
そしてMITもMITexを開設し、その後ハーバードが加わって edXへ改名され開設。
今では世界3大 オンライン学習がこの3つと言われています。
そのほかにもどんどん現在進行形で発展しています。
これらはまだ開設から10年経っていないとおもうといかにこれから伸びてくる時代かがひしひしと伝わってくる。。
MOOCsの課題
昨日の授業ではこれらの課題についても触れました。
まず、なぜ Massive (大衆)という言葉が消えつつあるのかということ。
かつては大衆が無料で好きなときに最高クラスの授業を受けることができる、という売りだったMOOCsですが、
・有料のcertificateの需要が高まった
高いお金を払えばofficial certificateという修了書がもらえるというシステムが導入されたことにより、そちらへの需要が高まってしまった。
・受講者のレベルがそもそもhighly educatedが前提
とある統計データによると、受講者の9割以上がすでに博士課程保持者という結果があったそう。
つまり、初心者がオンラインをつかって学ぶ、というよりはすでにある程度知識がある人々が知識のブラッシュアップのために受講する、という体制に変わっていってしまったんだそう。
・受講者への個別feedbackの質が落ちる
有料にしたところで需要はかなりあり、個別のfeedbackが受けられる場合でも対応が追いつかない→助手以下のレベルのひとがfeedbackすることでコースの質が担保できない
などなど、様々な課題がでてきたことにより、本来のMOOCsの目的からそれていってしまっているのが現状だと言っていました。
それでも、このMOOCsが学習の大革命を起こしているのに間違いない!
わたしもこのオンライン学習には本当に興味があります。
アプリで勉強とかもすごく助かるしね、無料という言葉にも飛びついちゃうしね!
生涯学びつづける life long learnerとして、世界のどこにいても学びつづけることができる環境ってやっぱり素敵だなぁと思う。
ちなみに私も今授業と並行して何個か始めようと思っています。
LinkedIn learningもコロンビア生は無料で受講できるのでよく使っています。
オンライン学習シリーズ、第一回目はこのへんで!
参考文献
Major, C. H. (2015). Teaching Online - A guide to theory, research, and practice-
Siemens, G. (2013). Connectivism: A learning theory for the digital age
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