~セントライト記念2022~ 寸評

◎ 買い・ねらい目馬
ー 人気相応馬
△ 人気やや不相応馬
× 買い目から消したい馬

1. ローシャムパーク ◎

前走の山藤賞では道中から仕掛けてそのまま後続を突き放す圧巻の内容。
7馬身以上の差をつけた2着レッドランメルト・3着サンストックトンはその後の内容も良く、レースのレベルも低くない。
春のクラシックは無理させず休養に充てたようにローテーションも非常に好印象。
渋った馬場でも結果を残しており、田中師も問題なしと太鼓判。
昨年のソーヴァリアントのように早めに進出して押し切る競馬が容易に想像できる。
権利獲り&賞金加算が必須なため仕上げに抜かりはなく、鞍上にルメールを配し万全を期して挑む。

2. ロンギングエーオ ー

デビューから一貫して2000m以上を使われており、本舞台と同条件の中山2200mで初勝利を挙げている。
初重賞挑戦となった青葉賞では12着と惨敗したが、前走は青葉賞4着馬グランシエロを内から力強く差し切って勝利。
上昇中なのは間違いないが、追走力は相変わらず。
スタミナタイプなのは間違いないので馬場が渋ればヒモで一考。

3. マテンロウスカイ ー

過去7戦で全て馬券に絡んでいる安定感がウリ。
近走は前々からの競馬ができるようになり、その安定感に磨きがかかった印象。
年始の中山2000mでは世代上位馬と競り合いながら勝ちに等しい内容。
5月のあずさ賞でも最後はガイアフォースに迫って小差の3着に入った。
ただ2走前の条件戦では同い年のヴァモスロードに力負け。
手を出しやすい人気ではあるが、どうしてもワンパンチ欠ける印象はぬぐえない。

4. ラーグルフ ー

賞金が足らずにダービーは断念となったが、休養明けの前走はローズSでも人気を背負ったセントカメリアを撃破。
休んだ効果もあって確実に上昇してきた印象。
調教ではナランフレグ相手に馬なりでスッと伸びて交わして先着し、宗像師も一回使った上積みを強調。
皐月賞ではアスクビクターモアに0.2秒差と接戦を演じており、軽視できない一頭だ。

5. セイウンハーデス ×

勝ったプリンシパルSのレースレベルは高いとは言えず、どうしても決め手に欠ける印象がある。
追われてジワジワと伸びるタイプだが、人気どころに競り勝てる可能性は低そう。
稍重馬場でも着順は安定していたため、渋った馬場に勝機を見つけられるか。
鞍上には中山で今年ほとんど乗っていない幸騎手が駆け付けた。

6. オニャンコポン △

京成杯勝ち馬。皐月賞ではアスクビクターモアとはタイム差なしと好走している中山巧者。
直前で熱発のあったホープフルSを除けば、安定して力を発揮できている。
ただ、人気も相応に背負っているためやや買いにくい存在。
小島師も自ら語ったように、ダービー上位組とは明らかに力の差があるし、明確な変わり身も感じられない。
賞金を積みたい勢いのある上がり馬たちとの比較では劣るか。

7. アスクビクターモア ー

ダービー3着馬で推しも推されぬ実績ナンバーワン。
春にはあまり見られなかった乗り手の指示を待つ調教パターンをこなし、田村師は精神面の強化を主張。
それでも気性面の問題から、相変わらず調教は併せ馬をせず単走のまま。
クラシックでの好走歴・気性の危うさ・脚質といった点で昨年のタイトルホルダーとやや被る部分も感じるが、この馬は番手でも結果を出しており、ここで大崩れするのは想像しがたい。
世代トップと互角にやりあってきたこの馬をノーマークで馬券を買うのは勇気がいるか。
菊花賞出走は明言しておらず、このレース次第と語っている陣営にとってこのレースは試金石という扱いなのは間違いない。
折り合い重視のレース運びになりそうだ。

8. ショウナンマグマ △

リズムよくハナを切り8馬身差圧勝を見せた中山の舞台で一発を狙う一頭。
プリンシパルSでは控えた競馬で上手くいかなかったが、前走のラジオNIKKEI賞では再び逃げて好走。
ただ今回はガイアフォース・アスクビクターモアなど強力な先行馬が睨みを利かせておりハードルが一気に上がる印象。
そもそもスタートが飛びぬけて早いわけではないので、すんなりハナを切れる可能性もそこまで高くないように思える。
能力はありそうなので、強い同型の少ないレースで狙ってみたいが、この舞台ではない気がする。
牝系にはステイゴールド・メジロマックイーンの血も入っており、父はダートで結果を出しているザファクター。
距離延長や渋った馬場はマイナス要素にならなさそうだが。

9. ガイアフォース △

小倉2000mでレコード勝ちを果たした人気の一角だが、
「特殊な馬場であの馬の走りがフィットした結果あの着差になった」と杉山師はあくまで慎重なジャッジ。
今回は一転して力のいる馬場が予想されるので、ここで力を発揮できるかどうか。
重馬場のあずさ賞で勝ち馬(セントカメリア)との差がなかなか詰まらなかったのがとにかく印象的で、最後はマテンロウスカイと同じ脚色になっていた。
松山ジョッキーも良馬場での開催を希望するコメントを発しており、力を要する馬場になれば疑問が残る。
個人的にはローシャムパークとの比較で劣る印象があるので、ここでの評価はやや抑えて次回以降再び見直していきたい。

10. ベシャール △

小雨が舞って馬場が荒れていた毎日杯で2着に入ったモーリス産駒。
脚元の弱さが改善され中間では初めてウッドコースで追い切るなど、これまでより負荷のかかった調教ができている様子。
田中師は「これまでで一番良い臨戦過程。時計がかかる馬場になれば」とコメント。
ただ、これまでの相手より数段上になることが予想されるメンバーの中でどれだけやれるのかは依然として疑問が残る。

11. キングズパレス ー

遅れてきた良血馬というフレーズがぴったりな穴候補。
追走力は相変わらずだが、終いは強烈な末脚を繰り出し浮上中の上がり馬だ。
渋った馬場で脚の上がった先行馬をまとめて差し切るポテンシャルは秘めているように思える。
松岡騎手は「距離は延びれば延びるほど良い。」とコメントしており、菊花賞への出走を強く希望していた。
穴で一考したかったが、相応に人気も背負っているなという印象。
同じような脚質でクラシックでも勝負できていたラーグルフと、同じような人気になってしまうと何とも言えなくなってしまう。

12. サイモンバロン ×

前走完敗したバトルボーンは世代上位の強敵だったとはいえ、今回はこのクラスの相手が複数頭待ち構える舞台。
中山競馬場・重馬場での成績も特筆すべきものがなく、最低人気は妥当か。

13. ボーンディスウェイ △

前走は常に外々を回される展開に加え、道中もやや行きたがる素振りを見せ息を入れるタイミングが無かったながら、最後まで走り切ったので印象としては悪くない。
着順こそ崩れた皐月賞でも、早々に馬群に飲み込まれたがタイム差は1秒ジャストまで。
タフな馬場で同じように走り切れるかは未知数だが、可能性に賭ける価値はあるかも。
ただ、今回の調教はあまり強調材料が無い内容で、陣営も大きな変わり身はなさそうなニュアンスに終始。
何より外枠を引いてしまったため展開の助けも望みにくくなった。

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