~凱旋門賞2022~ 寸評(日本馬除く)
◎ 買い・ねらい目馬
〇 有力馬・推奨穴馬等
ー 人気相応馬
△ 人気やや不相応馬
× 買い目から消したい馬
1. ミシュリフ(17番ゲート) 〇
昨年はドバイシーマクラシックでクロノジェネシス、ラヴズオンリーユーなど強力な日本馬を抑えて勝利したのが記憶に新しい英国馬。
世界各国を飛び回りコンスタントに実力を発揮してきた実力馬ではあるが、ロンシャン競馬場は意外にも初挑戦となる。
かなりタイトなローテーションをこなしており大きな上積みは期待できないが、ゴスデン師は「すごく良い状態」と胸を張る。
7月はエクリプスSで今回人気が予想されるヴァデニと接戦を演じたり、前々走バーイードの2着に入った英インターナショナルは師も高く評価しているように、まだまだ力は健在。
ただ、前走は重たい馬場に脚をとられたことを認めており、極端な馬場は合わない気がする。
2. トルカータータッソ(18番ゲート) ◎
昨年は世界中をアッと驚かせる勝利を挙げたディフェンディングチャンピオン。
タフなコンディションでこそ真価を発揮するタイプで、この舞台はまさにうってつけ。
前走はスローペースに泣かされて伏兵・メンドシーノに敗れたが、内容自体は悲観するものではない。
リピーター傾向の強い本レースでは無視できない一頭で、あまり人気を集めないなら積極的に狙いたい。
3. マレオーストラリス(19番ゲート) ―
凱旋門賞8勝のファーブル厩舎が送り出す仏国馬。
今シーズンはコンディション不良で復帰が遅れたが、復帰後は問題なく力を発揮している印象。
6月のシャンティイ大賞では重たい馬場を苦にしない走りでバブルギフトやメンドシーノらを抑えて勝利を挙げた。
ただ、再び脚を痛めてしまい、ここがぶっつけ本番。
このローテーションで格上相手にどこまでやれるか。
4. シリウェイ(15番ゲート) ―
昨年5着の実績のある地元フランスの牡馬。
2走前は稍重のロンシャン2100mで、その後プリンスオブウェールズSを勝ったステートオブレストと0.1秒差と健闘。
人気はかなり薄めだが、食い込むだけの潜在能力は秘めているか。
5. アレンカー(12番ゲート) ×
昨年は9着と敗れたが、陣営はその後の本格化を強調。
しかし、近走の内容はお世辞にも見所があると言えず、昨年からの上積みについては大きな疑問が残る。
こちらも英国馬ながら父はアドラーフルクとドイツ血統で、重たい馬場でもやれる下地はある。
ただ、ハガス師は極端な馬場は歓迎しない旨のコメントをしており、逆転の余地は少なそうだ。
7. ブルーム(14番ゲート) ×
オブライエン師は今がピークと話すが、近走のパフォーマンスはふるわない。
昨年は武豊騎手を背に挑むも11着に敗れており、今年がそれ以上の状態にあるかと言えばかなり疑問符がつく。
9. モスターダフ(16番ゲート) ×
先行力とスタミナを武器にここに挑む米国馬
前走はオールウェザーの重賞を勝ってここに登録してきた。
ただ、3走前はブルームに完敗しており、単純に実力不足感が否めない。
ロンシャン競馬場だけでなくフランスでの出走自体が今回初めて。
かなりの人気薄が予想されるため、トリッキーな馬場にマッチする可能性に賭けるのも一考。
10. メンドシーノ(1番ゲート) ―
最内枠を引いたドイツの新鋭。
前走のバーデン大賞ではトルカータータッソとの接戦を制し重賞初制覇を果たした。
父はトルカータータッソと同じアドラーフルクで、この舞台に強い血統。
陣営はギアチェンジのスムーズさをセールスポイントと語っており、こういった面も凱旋門賞に向いてそうと思わせてくれる。
多頭数レースの経験がほぼ無いので、最内から抜け出せるかがポイントになりそう。
狙いやすい人気に落ち着きそうで、昨年に続く波乱を演出できる一頭だ。
12. バブルギフト(13番ゲート) ―
地元フランスでコンスタントに結果を残してきた実力馬。
昨年はニエル賞を勝って挑むとクロノジェネシスと小差の8着。
コース実績はメンバー随一で、鞍上には凱旋門賞4勝の名手ペリエ騎手を迎える。
今年はサンクルー大賞でアルピニスタの3着に入り、前哨戦のフォワ賞でも2着と実力は水準以上。
走ってみないと分からない未知数の馬たちに賭けるのも一興だが、安定して勝負できそうなのはこっちか。
13. グランドグローリー(9番ゲート) ―
ジャパンカップを最後に引退が既定路線だったが、繁殖セールで250万ユーロで落札された後に現役続行。
その後ロンシャン競馬場で2勝を挙げ、プリンスオブウェールズSではシャフリヤールに先着して3着に入るなど変わらぬ実力を発揮している。
ビエトリーニ師は120%の状態と評しており、その末脚でチャンスを掴めるか。
14. アルピニスタ(6番ゲート) ×
目下7連勝中でここに挑む人気の一角。
本格化したタイミングとの兼ね合いもあるが、個人的には右回りが合うイメージが無い。
多頭数の経験も無く、この条件で今まで通りの実力が発揮されるかはやってみないと分からない。
スムーズさを欠いて直線を向いてスタミナ勝負の展開になれば、格下相手に足元をすくわれる可能性は大いにある。
5歳牝馬の凱旋門賞制覇は85年も前というデータも不気味。
15. ヴァデニ(2番ゲート) △
今年のフランスダービーを制した3歳世代主役の一頭。
ただ前走はオネストやルクセンブルクといったライバルたちに完敗し、やや評価を下げることになりそう。
レース後は英チャンピオンSと凱旋門賞の両睨みでこちらを選択。
陣営はレース選択が難しい判断であったことを認めており、馬場コンディションの悪化はあまり歓迎しないとしている。
距離延長についても現地では懐疑的な声が多い。
16. アルハキーム(4番ゲート) △
こちらはフランスダービー4着馬。
20年にこのレースを制したソットサスとかなり似た血統で、同じ厩舎・同じ騎手(C・デムーロ)ということもあり注目を集めている。
距離延長については同い年のヴァデニより問題にしなそうだが、問題は馬場コンディション。
ルジェ師は「柔らかい馬場になりすぎないよう祈っている」とコメントしたが…
17. オネスト(11番ゲート) ―
この後ジャパンカップ参戦を示唆するコメントを出すなど、その走りにより一層の注目が集まる有力候補。
前述2頭と違い、パリ大賞を勝ってロンシャン2400mの実績があるのも心強い。
前走敗れたルクセンブルクとの差は少なく、陣営はここでさらなる上積みを強調、逆転の可能性は十分見込める。
18. ウエストオーバー(7番ゲート) 〇
前走は一番人気を背負いながら道中で掛かってあまりレースにならなかった印象。
英ダービーでは直線で完全に前が壁になりながらも、外に出してからは鋭く伸び続けて3着。
その後の愛ダービーでは影をも踏ませぬ圧勝を果たすなど、実力は折り紙付き。
大敗後の立て直しは順調そのものを強調しているが、このタフな馬場でどのようなパフォーマンスが出るかは全くの未知数。
幼い気性が再び顔を出せば、その瞬間に再びレースが終わってしまう。
ただ、かなり人気が落ちたので非常に手が出しやすくなった。
20. ルクセンブルク(8番ゲート) ―
前走は愛チャンピオンSで見事な走りを見せて人気の一角に。
筋肉系のトラブルで順調にいかなかったがようやく軌道に乗った印象だ。
距離延長と渋った馬場でどこまでやれるかといったところで、オブライエン師は極端な馬場を嫌うコメント。
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