見出し画像

あいをしらないぼくら

とても眩しい日
きらきらした水
溶ける輪郭
あつい夏
あいをしらないぼくら

焼却炉にのぼって君の手をとる
焼けつく陽射し
空はどこまでも高い

蝉の音にまぎれた声

世界は白に溶けていく
心は平坦なまま
僕らもいっしょに溶けていく

陽炎みたい 景色がゆらいでる
遠くで誰かが呼んでいる
僕たちには届かない声で

薄れていく輪郭をなぞる

まばたきがひとつ

もうすぐ僕らはいなくなる