見出し画像

海月

夜の海を行く
海の中では生き物の死骸がぼんやり光っている
降り注ぐのは月のひかり
星空を食べてひとりぼっちの月のひかり

さよなら、なんていいたくなかった
流れない涙のかわりに海の水を浴びる
きらきら
きらきら
ひかりがこぼれた

夜の海を行く
砂に埋もれた足を波がさらう
いつのまにかひかりは消えた

さよなら、さよなら。

君を想うだけで何処まで飛べるだろう

からっぽの夜空を仰いで、ひとり