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蝉時雨

遠くで蝉の声が響きわたる
部屋の底に沈んでねむる
なにもわかりたくなんてない
ぼんやり君の夢をみてた

ここはうすぐらい
外には炭酸のひかり
窓をあけたらきっと窒息してしまう
天井で影がゆらゆらとゆれる

羽化することのなかった虫
地面の底で夢を見る

外ではみんなが死んでいく

悲鳴みたいなうたがきこえる

僕はまた目を閉じる