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からっぽの陰極

部屋を飾ろう
水銀灯を吊るしてさ
きっと終焉は華やかだ

鉄とガラスと石の街から望遠鏡で君を探すの
逆さまの月
希望を喰べて笑ってた

冷たい汽笛 最終列車
空へ向かって走っていく
ポケットは空のままだから 汽笛に向かって手を振った
列車は群青に溶けていく

君はきっと乗っていたんだろう
望遠鏡じゃ見えないとこへ行くんでしょう
僕を忘れて 全部忘れて


だから さあ 部屋を飾ろう
水銀灯はゆらゆら揺れる

引き千切った翅をばら撒いて
華やかな終焉がやってくる