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詩のまとめです。暗いの多め。
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2014年8月の記事一覧

ラストダンス

ラストダンス

きらきらと、きらきらと、
ひかる視界
ひかる世界

十重二十重に重ねられ
倒れた僕に降り注ぐように

君に聞かせたいことがたくさんあったんだ
たくさんあったはずなんだ

今はもう身動きすら取れずに

攻めて、攻めて、それでも思いは届かなかった
責めて、責めて、自分を責めてもなにも変わらず
せめて、せめて、
君にもう一度笑ってもらえたら、いいのにな

それだけで、いいのにな

還元

還元

絶叫、
絶叫、
絶叫、

響き渡った僕の声

泣き叫びながら
僕を残したまま
何もかもを食い破って空に還ったことば

置き去りにされた僕は
いったいどこへ還ればいい

夜行列車

夜行列車

夜行列車 僕を運んでいく
苦しみと寂しさを道連れに僕はどこまで旅に出よう
長く長く汽笛が響く
切符の行き先は真っ白だ

誰もいない食堂車で
薬缶の蒸気が満たされていく
しゅんしゅんと湧く水に
ガラス瓶の中に閉じ込めた世界を沈めた

白鳥の停車場まで、あと少し
そんなことをただ考えていた

夢狭間

夢狭間

何事もないいつもの朝
青空のなかにぽっかり浮かんでる
半分だけの透き通った月が僕の醜態を嘲笑った

海月みたいな君が
部屋の中をぼんやり漂って嘘みたいだ
掴もうと伸ばした手は砕けてしまった
涙なんてもう流れない

突き刺さる現実から逃げて来てはみたけれど
薄暗い心の中に
確かに棘は刺さったままなんだ

いっそ誰か殺してくれよなんて
仕様もないことを呟きながら眠りに落ちる

きっと助けなんてこないこ

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夜想曲

夜想曲

群青の中で音符をなぞった

きれいな幻想がこぼれていく

夜は僕のふるさと

丸くなって眠った

青一色の世界がほしい

白い光は僕を焼くから

夜が僕のふるさと

朝に怯えて眠った

ノックの音

ぼくのなかのあくま

止まらない妄想

爛れた音符を指先でなぞった

だってもう笑えないんだろう

夜はしんでしまった

君の言葉だけで僕は窒息できる

遺書

がらんどうの僕になにをもとめるの
薄紙一枚向こうの現実のことなんてなにひとつわからないのに

ほんとうは、生きたくなんてなかったけど
抜け殻になっても生きてるふりをした
きっとこれはその報い
僕を詰る声が聞こえる
ねえ
僕にみんなと同じものをもとめないで

もとめないで

生きたくなんてなかった

生きたくなんてなかった

生きたくなんてなかった

                        

もっとみる

きっと君の言葉はいつまでも僕の心に刺さって抜けないだろう

踏切

踏切

夕暮

踏切

鉦の音

がたん ごとん と 誰もいない電車

遮断機の向こうから
僕が僕を見ている

がたん ごとん と 電車は走る

街はオレンジ一色で
僕もオレンジ一色で
溶け込めたらいいのになぁ

夢想

幻想

おいてけぼり

さようなら

僕が笑った