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詩のまとめです。暗いの多め。
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2014年7月の記事一覧

上昇気流

上昇気流

座り込んで、雨の中
水滴は空を映して涙色

高く高く飛べたなら
いつか君が見えるかな

見上げたら僕の体が雨に溶けて
全部ぜんぶなくなって流れてく

ほら、蒸発したら君のもとへ

僕を見て君は笑ってくれるかな?

(嘘でもいいよ)

あまいあまいお菓子みたいなゆめをみた

きみがぜんぶ

ぼくのものになればいいのに

この灰色の世界の中で
いつだって
君だけが僕を惹きつける

アトリエ

アトリエ

心が絵の具になったらどんな色だろうって

隠れ処で息を殺した群青の夜
やってきた朝を塗り潰した

「神様を殺したんだ」
透明な日
僕色の朝は腐乱していく

はじめから何もないから
絶望だって知らない
腐った朝にだって笑えるよ

腐乱した日
透明な絵の具をぶちまけて
隠れ処で息を殺して笑った

この世界は僕の物だって

誰か、どうか、

教えてください

終わる日へ

擦り減りながら
走って はしって
僕がなくなってしまうまで

少しずつ欠けながら
走って はしって
君を忘れてしまうまで

行き着く先にはなにもない
その途中にもなにもない
壊れて壊れて壊れて壊れて
走って走って走って走って

どこまでだって

どこまでだって

ひとり

僕だけ泣いた
僕だけ泣いた
みんなみんな死んでしまえばよかった
そしたら僕は生きていけた

僕だけ泣いた
僕だけ泣いた
だれもだれも死なないなら
誰か僕を殺してくれ

ねえ

ここで生きていくくらいなら
死んだほうがいいんだよ って

泣いた

ひとりで

僕だけ

ひとりで

無気力症

右の手にはナイフ
左には白い腕
べつにそれを突き刺すこともない                                                     
いつだって無気力な人間
灰が落ちれば一日が終わる                                                        
バスタブに座って
溶けていく妄想
下水道に流れて
僕がくるくるとまわ

もっとみる

焚き火を見ながら

ぼんやりと
ただぼんやりと

この思いも燃えてなくなってしまったらいいのになあ、なんて

アネスシージア

優しかった世界でいつのまにか一人
とめどなく溢れる光でもうなんにも見えなくなった

「おねがい、追いかけてきてよ」

哀しいのに
とてもとても哀しいのに
潰れたこの目じゃ泣いたりできない

「ねえ」

「なんにも聞こえないよ」

「ねえ」

こぼれていくエーテルのにおい

いまはもう静かに窒息したい

図工

図工

消えない絵の具で世界に色を

君には虹色 僕には鈍色

輝いているのは君だけでいい

アスファルト

アスファルト

たとえば泣き叫んだところでなにもかわらないし
腕に爪をたてたところでなにもが終わるわけでもない

叩き潰した言葉は肺の中にべったりと

息が出来ない

どす黒い雨なんて降らない
祝福の光が降り注ぐこともない
そこにあるのはただ渇いた空気

膝がじりじりと焼ける
ぎらぎらとしたナイフを握りしめて空を仰ぐ

ころしてくれよ

貴方が僕の名前を呼ぶたび、そのたびに、僕は歩いて行こうと思えるのです。