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インタビュー/気付く力で患者に寄り添うドクター
皆様、こんにちは。WEBSOLEILの瓜生と申します。こちらでは、活力ある医療経営を展開されている経営者の方をご紹介してまいります。第一回目は、福岡県糸島市でクリニックを経営されている佐々木隆光先生です。
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佐々木先生は、がん研究の第一人者として急性期病院等でご活躍されていましたが、最近、福岡県糸島市に「さくらのクリニック」と「みんなのクリニック」と立て続けに開業されています。
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さくらのクリニック・みんなのクリニック 理事長の佐々木隆光先生
研究者から地域のかかりつけ医に
ー先生、ご経歴が素晴らしいですね。
見てくださったのですか?
ーはい。原著論文もたくさん!!科研費も。しかも 留学先はMDアンダーソンがんセンターですよね。 研究者として超一流の印象です。
アンダーソンがんセンターは、仰る通り、がん研究においては、世界有数の素晴らしい場所でしたね。いろいろなご縁と幸運が重なって留学できました。周囲に感謝ですね。
ーご縁!と感謝!!。私、これまでたくさんの方をインタビューしてきたのですが、「ご縁」とか「感謝」というワードを自然におっしゃる方って、すごく患者さんから人気があるんですよ。
そうなのですか?
ーはい。あくまで「それいゆ」調べですけれど。それに、先生のようなサイエンスの先端におられる方が「ご縁」なんて非科学的な概念を大切にされているのも興味深いです。まあ、それは横においておいて、そんな先端医療の最尖端にいらっしゃった先生が開業しようと思われたのはですか?
つきつめた先に見えてきたのは、寄り添いたいという思い
長年、膵癌などの難治がんの診断・緩和ケアに携わってきました。その結果思うのは、結局患者さんの幸せに貢献したいなという思いだったりするわけです。なんといえばいいかな。「お1人おひとりの人生に向き合った診療がしたい」というか。今の医療って、ここからここまではこの先生、ここからここまでは別の先生というやり方ですよね。これは、医療の効率や専門性を考えると仕方がないことだとはわかっていますが、患者さんにとってどうでしょうか。
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ーふむふむ。で、なぜ開業?
場面場面に応じていろいろな医師に関わることは仕方ないとして、それでもベースとなる「かかりつけ医」の存在があれば心強いのではないかな、と思ったんですよね。それで、そういう存在になりたいな、と。
ーそれ、ものすごく患者側からすると嬉しいです。私の祖母は、50年くらいかかっていた内科の診療所で異常が発見されたのですが、そこでは告知されず、「もっと大きな病院で診てもらってね」と紹介された急性期病院で、ほぼ初めて会う20代の医師に「膵臓がんですねー」と告知されたんです。あの時のショックってなかったです。90歳でしたから、がんも死も仕方のないことですが、せめて知り合っている関係のかかりつけ医風の方に一旦戻していただいて告知してくれたらいいのに、なんて思いましたね。
難しい問題がいくつも含んでますね。でも、かかりつけ医がいて、その段階で正確な診断ができて、よく知った関係性の中で伝えることができれば、その後も違ってくるでしょうね。
ーそう思います。先生が思う「かかりつけ医」ってどんな存在なんでしょうか?
かかりつけ医とは気付く人だと思う
患者さんは、体の不調を訴えてクリニックを受診されるのですが、よくよくお話を伺うと、生活や心に不安を感じておられることが多いです。その不安に働きかけることが本質的な改善の第一歩ですが、患者さん自身がその不安に気がついていないこともあります。ですから、「かかりつけ医」に求められているのは、表面的な病気への対応だけでなく、その人の些細な変化に気付いてあげて、アプローチする力ではないかと思います。
ー気付く力!一番むずかしいです。これって、できる人とできない人がいますよね。
鍛えられると思いますよ。
ーどうやって?
相手に興味を持ち、思考を止めないことです。
ーたとえば?
気付く力は鍛えることができる
受診してくださった時に、「この患者さんは、どういった手段で私たちのクリニックに来てくださったのかな」とか「どんなご家族構成なのかな」と、そんな些細なことを考えてみるのです。そうすれば、「送迎されるご家族がいらっしゃらないのかな」と気付いたりします。そういう想像力を働かせ、「ご家族さんは?」と聞いてみると、体調不良だったりする。その繰り返しです。
ーそんな風に語りかけてもらえると、寄り添ってもらえている気分になります。
それを繰り返していると、次第に患者さんの方からいろいろ話してくれるようになります。「お医者さんって話しにくいと思ってたけど、先生は話やすいね」と言われたりすることもあります。些細なことですが、この安心感が「かかりつけ医」には何より大事だと考えています。
ー患者って医師には、恐る恐る話しかけてしまうんですよね。
その患者さんの恐れに気付くことも大事ですよね。そうすれば、「気楽にしてくださいね」と声掛けができます。
次回につづく
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