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小湊鉄道の逆開発

私は、市原市についてのオンラインフィールドワークに参加して、小湊鉄道の逆開発の話がとても興味深く感じた。開発という言葉は、よく耳にするが、逆開発という言葉は耳にしたことがなかったため、どのようなことが行われたのかとても興味津々だった。そして、このお話を聞いて、開発はいいことばかりではないこと、人工的な開発から元の状態に戻す逆開発の重要性について知ることが出来た。

まずは市原市がどのような街なのか見ていきたいと思う。
市原市によると「千葉県、房総半島の中央に位置する市原市は、県内最大の面積368.17平方キロメートルを持つ、大きなまちです。古くから温暖な気候と豊かな自然に恵まれ、飛鳥・奈良時代には上総国府が置かれ、全国最大規模の国分寺・国分尼寺が建立されるなど、政治・経済の中心地として栄えてきました。現在では、東京湾に面する北部にグローバル企業が立地する国内最大級の石油化学コンビナートや良質なベッドタウンが広がり、南部は養老渓谷などの豊かな自然や日本一のコース数を誇るゴルフ場など、国内経済やレジャーの中心となる魅力が広がっています。」と説明されている。
https://www.city.ichihara.chiba.jp/article?articleId=60237671ece4651c88c185f3

以上のように、市原市は、北部にはコンビナートなどの工場があり、南部には、ゴルフ場や養老渓谷などの自然が豊かな場所があり、南部と北部でまったく性質が異なる街であることがわかる。

小湊鉄道の逆開発
逆開発が行われた小湊鉄道があるのは、市原市の南部に位置し、五井駅から上総中野駅を結ぶ39.1kmの鉄道である。
小湊鉄道の中の1つの駅に養老渓谷という駅がある。
小湊鉄道によると、『房総半島のほぼ中央に位置し、「房総の奥座敷」とも呼ばれる養老渓谷は、房総随一と謳われる粟又の滝を始め、整備された周辺の遊歩道やハイキングコースが、紅葉の名所としても知られています。
1914(大正3)年に井戸から鉱泉が湧き出て以来、養老渓谷温泉郷には温泉宿が十数軒ほど建ち並んでいます。独特の「黒湯」は、ナトリウム炭酸水素塩・塩化物泉で、冷え症・病後回復・健康増進・腰痛・神経痛などの効能があり、キャンプやハイキングと温泉を一緒に楽しむことができる、県内では貴重な温泉街です。』と説明されている。https://www.kominato.co.jp/tourism/yorokeikoku/index.html

以上からもわかるように、養老渓谷は、渓谷や温泉などで観光地化していき、その中で、もともとは駅前が土だったところをアスファルトで舗装したり、駅舎の前にバス停を設置するなど利便性を高め、周囲には土産物や旅館などで賑やかな場所であったようだ。しかし、経済成長が終わると周辺にあった旅館などは破綻していき、観光客は減っていったようだ。
残ったのは、自然的な渓谷と人工的なアスファルトの道路という違和感のあるものが残った。そこで人間の力によって変えられてしまった養老渓谷駅を元の自然風景を取り戻すために、逆開発は行われた。逆開発の主な内容は、駅前のアスファルトを剥がし、周囲の自然環境に存在する木や花を植え、長い期間をかけて元の自然の状態に戻すということである。

今回の市原市でのオンラインフィールドワークで、逆開発のことを聞き、私たちの生活に便利さが増す街の開発が、いいことばかりではないことがわかった。小湊鉄道の養老渓谷駅のように、今まで考えられていた利便性を高くする駅前整備ではなく、駅前を中心に以前の自然の状態に戻すことを試みているように、その土地にとって何が大事なのか考えるべきではないかと私は思った。

参考文献
「市原市について」市原市ホームページhttps://www.city.ichihara.chiba.jp/article?articleId=60237671ece4651c88c185f3
「足湯・逆開発」小湊鉄道株式会社公式ホームページhttps://www.kominato.co.jp/tourism/yorokeikoku/station/index.html
「逆開発 ~アスファルトの駅前を森に戻す」日経ビジネス
https://business.nikkei.com/atcl/report/16/053000139/053000002/
「駅前を人が集う森に 里山コンセプトに「逆開発」 小湊鉄道」千葉日報
https://www.chibanippo.co.jp/news/local/613100


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