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放置艇を漁船レストランに

はじめに
今回、美波町でのオンラインフィールドワークを通じて、様々な魅力があることが分かった。その中でも、一番印象に残ったのは、漁師さんのお話だった。漁師さんからは、漁師町としての美波町や、現在問題になっている放置艇についてお話を聞くことが出来た。そこで私は、放置艇の廃棄が求められている中、放置艇を活用することができないか考えてみた。

漁師町としての美波町
美波町は、徳島県の南部に位置し、海に面した町で、産業は古くから漁業が中心の町であったようだ。しかし、若者の流出や高齢化によって、漁業の仕事に就く人が年々減少しているようだ。国勢調査の産業大分類別就業者数を2000年から2015年まで見てみると、美波町で漁業に就いている人は、2000年は442人だったのが、2005年には398人、そして2010年には286人、さらに2015年には259人と、2000年から2015年で183人減少していることが分かった。

放置艇問題
美波町は、漁師の減少ととともに放置漁船が増えており、問題になっているようだ。放置艇が引き起こす問題として、洪水や高潮時に被害を与える可能性や、安全管理の不十分による事故などが考えられる。特に、太平洋沿岸にある美波町は、南海トラフによる津波の被害が予想されているため、放置艇の廃棄が求められているようだ。放置艇のほとんどは、FRP船で、沿岸域学会誌に掲載されている論文(http://182.93.118.129/03-journal/ronbun/koukai/2009_6_treatise.pdf)によると、FRP(Fiber Reinforced Plastic)と呼ばれるガラ ス繊維で補強された強化プラスチックは,耐食性,耐候性,耐衝撃性,耐久性に優れ,高強度か つ軽量で成型し易い材料であるようだ。このように、FRP は優れた材料特性を持つが故に,廃船処理が 非常に困難であることが上げられているようだ。また、FRP 漁船の寿命と耐用年数を推定した結果を見てみると,寿命は 62 年以上と見積もられているようだ。これらから、FRP船は寿命が長いことが分かるように、美波町の放置艇も、まだ使えるものが多いようだ。私は、まだ使えるものを廃棄してしまうのはもったいないと思った。

放置漁船の活用
そこで、私は放置艇を廃棄するのではなく、漁船レストランを提案する。
放置されてしまっている漁船を室内にもっていき、水をひいて船を浮かべさせて、レストランにする。実際に、室内に船があって、そこで食事をすることが出来るお店は存在するため、漁船を何隻か持ってきてレストランにするのは可能なのではないかと思った。なぜ、室内なのかと言うと、南海トラフの津波のことを考えると、海に浮かべておくよりは、室内に持ってきた方が良いのではないかと思ったからだ。

わたしが、漁船レストランを考える理由は2つある。
一つ目は、年々漁師さんの数が減っていき、さらに漁船もなくなれば、将来、美波町が漁師町であることを忘れられてしまうのではないかと思った。その為、美波町が漁師町であった歴史を残すためにも、今まで使われていた漁船を活用することで、残すことが出来るのではないかと考えた。

2つ目は、漁師さんでなくては、あまり乗ることのない、漁船で食事をすることができることで、漁業に興味を持つ人が増えるのではないか、また、美波町が漁業の町として取り戻すきっかけになるのではと思った。


おわりに
以上から、放置艇を漁船レストランにすることで、漁師町としての美波町をどのようにして残していくのか考えてみた。

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