これってどうなの?〜感染管理の脇道〜 第7回「白衣」
地域医療ジャーナル 2020年11月号 vol.6(11)
記者:kangosyoku_no_ebm
看護師/保健師
今回は「これってどうなの?〜感染管理の脇道〜」の第7回目となります。
これは感染管理における、「これってどうなの?」というもの、特に教科書などであまり解説されないような”脇道のエビデンス”についてまとめていこうという連載になっております。
どうぞお付き合いください。
さて、これまでの6回の連載でも色々書いてきましたが、医療現場では様々な医療器具が用いられていて、そのどれもかなり汚染されていることが明らかになってきています。
今回は医療従事者、特に医師や看護師の象徴的なアイテムである「白衣」に焦点を当ててみましょう。
白衣の歴史を振り返ってみると、なんと元々は「白」ではなく、厳粛さ、フォーマルさを表すとされていた「黒」の衣服を医師は着ていたとされています[1]。
また当時の医学は出来ることも決して多くなく、医師が関わるのは患者の最期の時が多かったことも、黒の衣服が着用されていた要因かもしれないと考えられているようです。
しかし、実験する際に細菌などの汚染をへらす必要があるという考えが一般的になってきたこと、また医師も科学者であるという考えが広まってきたことなどもあり、徐々に、清潔さを感じさせる白色の白衣を着用することが定着していったとされています。
そんな白衣について、何故たくさんの研究が行われているのかと言うと、白衣の汚染が生じることにより最終的に患者への感染に繋がる危険性があると考えられていることが大きな理由です。
本稿では、 医療従事者の白衣に関する現在の指針や白衣汚染の現状、その対策などについてエビデンスをまとめていきたいと思います。
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