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バナナと森林のお話 ~日本とミンダナオのつながり~

今回は前回の講演会でもお話しした、バナナと森林についてをお話ししたいと思います。この講演では、「ミンダナオの現状や日本とのつながりを知り、私たちはどのように行動するべきかを考える」というテーマのもとに行いました。この記事を見ている方も是非一緒に考えていただけると嬉しいです!

森林編

フィリピンにはミンダナオを中心に熱帯雨林が発達しています。海岸域にはマングローブ林が広がるほか、内陸・沿岸域ともに湿地が多く点在して、多くの鳥類をはじめ多彩な生物が生息しています。

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そんな自然が豊かなフィリピンも、1934年に1700万ヘクタール、第二次世界大戦終了時点では1570万ヘクタールと国土の半分以上を占めていた森林面積は、1960年代に始まった大規模な伐採、鉱業開発、伐採地での焼き畑農業等により、大幅に減少し、1980年代に入っても、土地転換や焼き畑農業、森林火災、過剰伐採などにより、年間30万ヘクタール以上の割合で減少していきました。ちなみに2020年の森林面積は約700万ヘクタールでした。自然が豊かといわれているフィリピンでもかなり早いスピードで森林が減少しているのがわかります。

森林破壊の原因

森林破壊の原因は過度な森林伐採もありますが、最も大きな要因は森林火災です。火災は山村住民の生活手段でもある焼き畑農業であるといわれています。

フィリピンでは伝統的な農法ですが、土地のない農民や貧しい人々が十分な休耕期間を置かないため、森林が回復する余裕がなく、土地がやせ衰えていきます。


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ミンダナオ島のイスラム地域では毎年、大洪水が問題となっています。そこに住む多くの人々が被害を受け、家ごと流されてしまうほどの被害も出ています。​

その原因を調べると、上流でジャングルの伐採が進み、そこが荒地化し、水を吸う力がなくなってしまっていることが原因になっていることがわかってきました。​

この洪水によって生活が出来なくなる人も大勢いて、この図のような生活のために木を切る、森林が無くなり洪水が起きる、洪水によって家を失う、また、生活のためにどこかの山で木を切って、、、という悪循環が起きてしまいます。​

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​日本との関係

フィリピンの森林伐採には日本にも大きく関わりがあります。1967年~1973年に林産物の輸出はフィリピンの輸出品目の第一位でした。その7~8割は日本に輸出されており、日本の急速な経済発展にともなう木材需要を支えていました。

皆さんの身の回りの家具にもフィリピンの木が使われているかもしれません。このように、日本の急速な経済発展に伴い過剰な伐採がされて、フィリピンの森林伐採はフィリピンだけの問題ではないと感じます。

植林活動

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ミンダナオ子ども図書館ではそんな現状を目の当たりにして、植林活動を行っています。ミンダナオ子ども図書館のホームページにて、洪水被害への支援や植林活動をビデオにまとめたものがあります。興味がある方は見てください。 

  http://www.edit.ne.jp/~mindanao/eizousaiteA.html


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