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バナナと森林のお話 ~日本とミンダナオのつながり~

今回は前回の講演会でもお話しした、バナナと森林についてをお話ししたいと思います。この講演では、「ミンダナオの現状や日本とのつながりを知り、私たちはどのように行動するべきかを考える」というテーマのもとに行いました。この記事を見ている方も是非一緒に考えていただけると嬉しいです!

バナナ編

日本で食べられているバナナの約9割がミンダナオ産ということをご存じでしょうか?これほど大きくバナナ市場を占めている理由は、ミンダナオがバナナプランテーションに適した土地だったからです。

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私たちの生活を支えてくれているフィリピンのバナナにも大きな問題がありました。

ミンダナオの労働者が抱える問題

・農薬による被害

バナナプランテーションで使用されている農薬は、日本の厚生省では「特定毒物」に分類されており、半数致死量が15ミリ以下のもの含む様々な有毒物があります。呼吸系の病気、皮膚病、気絶など被害は多く後を絶ちません。

・搾取労働

雇用形態や収入が安定していないため、バナナ農園労働者の収入はフィリピンの世帯当たりの必要経費よりかなり少なく、長時間の重労働を日々こなしている彼らに対して見合わない収入となっています。

(100円のバナナに対して彼らの取り分はおおよそ2円)

・バナナプランテーションに土地を取られた少数民族のお話

ミンダナオ子ども図書館のホームページにも、バナナプランテーションについてのお話が載っています。是非一度読んでみてください。

http://www.edit.ne.jp/~mindanao/eizousaiteA.html


このように、農薬による被害や搾取労働、バナナプランテーションによって住処を奪われる人々がいます。

しかし・・・

・バナナプランテーションで働くことで、それなりの現金収入があり、人々はそれで生計を立てている。

・何らかの理由でプランテーションが閉鎖した場合、生きていくことが出来ない。

バナナプランテーションに依存して生活している場合に困るのは、土地の転換ができないこと。バナナプランテーションが閉鎖した場合、お米や野菜などをほとんど作っていないために、食べていくことも困難になります。

バナナプランテーションに依存しないで生計を立てられるようになれば良いのですが、現地の方の意思や社会状況も考慮すると外部の人が簡単に解決できる問題ではないと感じます。ただ、現状では日本人がミンダナオ産のバナナを買うことをやめると、そこで働いているたくさんの労働者が仕事を失い、生活が困難になります。

バナナ問題へのポジティブなアプローチ

それでも、バナナ問題にポジティブにアプローチしようとしている方もいて、西ネグロスで生産されたバラゴンバナナのフェアトレードを日本のグリーンコープが行っていました。生産者の健康を害さない低農薬のバナナを、適正な価格で買い取るという活動です。

https://www.greencoop.or.jp/2021/06/21/210621banana/

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・農薬を使わない安全性

・適正な価格で販売

・現地の現状を発信

     ↓

労働者の問題解決へ!

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(講演会で参加者の方からフィリピンのバナナ問題に似た題材をテーマとした映画「バナナの逆襲」という映画を勧めていただきました。興味ある方は是非一度見てください。)


いかがだったでしょうか。次回の記事で森林のお話もします。ここまで読んでいただきありがとうございました。

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