2年、
肌寒い。悴んだ手は感覚を失う。気温はマイナス3度。
時刻は午前6時50分。
目の前に広がる海に、あまりにも赤い太陽が顔を見せた。
思わず私は、「おかえり。」と呟いた。
気づけば貴方がこの世界から姿を消してから2年。
目まぐるしい勢いで世界は変わる中、歳のとらない貴方は姿を変えぬまま。
その眩い赤は、あまりにも姿を変えず、
私達の前に今年もその姿を現してくれた。
でも、手を伸ばしても届かない。
手を伸ばしても触れられない。
貴方を思えば思うほど、会いたくてたまらなくなる。
貴方を思えば思うほど、苦しくてたまらなくなる。
どれほど涙を流したって、どれほど思いを募らせたって、
貴方が皆の前に姿を表すことはない。
でもその涙が、燦爛たる雨となって、
貴方の住む街に降り注いでいることを願い、
今年もこの日を迎える。
ふと、町中で赤い髪を探す。
『起こるはずのない奇跡ばっか探して』
見つからないことぐらい、分かっている。
でも、私は貴方を探すことぐらいしかできないから。
いつまでもその赤を探して、
起こるはずのない奇跡を見つけ出そうとしてしまうんだろうな。
きっと今年も、この世界に姿を表しているのだと信じて、
温かく貴方を迎え入れよう。
エイジくん、そっちにコロナ、持ち帰っちゃダメだよ!
Ⓜ️チャン
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