カーライフをおトクに楽しむために 1 まずは運転から

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 このページは、カジュアルに苦労せず節約しようという方向性で書かれています。
 ボロボロのアルトを捨て値で買ってDIYで修理だ!というガチの節約志向の方には、物足りない内容となります。



 ありとあらゆる物価が上がり、税や保険料も上がっていくのに、給料だけはなかなか上がっていかない昨今。音を上げても干上がるばかり。

 そんな中、削れる出費は削りたいもの。
日常の足に仕事に趣味レジャーと大活躍する車、
 しかし支出の中に占める存在感も相当なもの。
 生涯で4000万円が車に費やされると言われる時代、その5%でも浮かせればどれほど楽になるか。
その方法を、一緒に考えていきましょう。

 まず最初に、丁寧な運転から始めてみましょう。
丁寧に運転すれば、燃費も良くなりクルマも長持ち。
当たり前ですね。それじゃスタート!

……では芸がないので、具体的にどんな運転がお金の節約になるの?
ということを、具体的に挙げていきます。


1. 適切な車間距離

──広めがいいけど空気を読んで


 車間距離を広めにとると、それだけ前の車の動きに対して余裕が生まれます。
 アクセルを踏むのは、燃料を燃やして速度に変えるということ。ブレーキを踏むのは、その速度を捨てること。
 つまり速度の変化が大きい運転は、それだけ燃料をムダ使い……つまりお金をムダ使いしている運転です。

 前の車の動きを見てバタバタとペダル踏みかえる運転をしないで済むよう、余裕をもった車間距離がエコドライブの第一歩です。

 さらに、車間距離を広く取ると、目の前の視界で前の車が小さく見えます。
 その分、注意を他に向けられ、予測運転の精度が上がります。
 前の青信号はそろそろ切り替わりそうかな?まだしばらく青かな?というのも、
車の流れなどから予測できるようになります。
 それができてくると、燃費はずいぶん変わってきます。
 
 ただし要注意なのが混雑した道。車間を存分に空けていると、割り込みが増えて却ってブレーキを踏まされます。
 周囲の流れに沿った運転を心がけましょう。

2. 段差・車止めはソフトタッチ

──人だって足の小指ぶつけると痛いからね

 駐車場で車止めがあると、後ろの壁や他の車との距離を気にせずに済んで、ラクですよね。
 車止めがちょうど良い位置に止めてくれる!だから安心してドーン!
……と当てると、当然ながらタイヤや、タイヤと車体を繋いでいるもの(これを足回りと言います)に、衝撃がはしります。

 クルマの足回りは、主に鉄の棒を、ゴムを挟んでボルトで留めて、バネで支える構造です。
 当然、クルマの足なので、上下方向の衝撃はバネが吸収するように作られています。
 ところが、そのバネは前後からの力は吸収できません。
 なので強い衝撃をかけると、ゴムが変形したりボルトが傷んだり、最悪の場合は鉄の棒もゆがみます。
 その結果、タイヤが前をまっすぐ向かなくなります。これは「アライメントが狂う」と言われます。

 アライメントが狂うと、タイヤは斜めに転がります。当然、まっすぐ前に転がすより力が要りますね。 
 そのため、クルマを走らせるために余計な燃料が必要になります。つまりお金を余計に食うようになるのです。

 またこれは、車道から歩道をまたいで店に入るときにも言えます。
 車道から歩道に入るときも段差を通ります。この時にしっかり速度を落としてそっと乗り越えると、足回りへの負担を抑えられます。

3. 滑らかに走るということ

──角を立てないのは人間関係も運転も

 反復横跳びやシャトルラン、体育の授業でやりましたね。
 これは普通に走るよりずっと早く疲れます。それは、動いている体を止めて、また別の向きに加速させるという、効率の悪い動きをさせられているからです。

 クルマの運転にも同じことが言えます。
 カーブを走るときにハンドルを切る。切り足りなくて切り足す、あるいは切りすぎたので戻す。
 ブレーキを踏み足りなくて踏み足す、または踏み過ぎていたので戻す。
 これらも上の例と同じ、燃費を悪くする無駄な動きです。

 これを直すには、意識して練習が要ります。
 交差点やカーブなどで、一度ハンドルを切ったら、その角度を維持する。
 赤信号や停止線に近づいたら、弱く一定の深さでブレーキを踏み、止まる寸前まで維持する。
 これでカーブを曲がれて、思い通りの位置に止まれるようになれば、無駄な操作はずいぶん減ります。無駄が減れば、ムダ使いしていた分のガソリンも浮きます。

 また、「無駄のない滑らかな運転」は、言い換えると同乗者に優しい運転でもあります。
 乗り心地と燃費は両立できます。

4. 経済速度って?

──クルマにも向き不向き、得意と苦手がある

 日本には昔、60km/h定地走行という燃費試験がありました。
 時速60キロの一定速度で走り、その燃費を測定する試験です。
 その名残か、大抵の日本車は60km/h前後が経済速度となっています。

 経済速度とは、平地で一番燃費の良い速度です。つまりその速度を超えれば超えるほど、またその速度以下でのろのろ走ると、燃費は悪くなります。

 もちろん、例外はあります。軽貨物車は40km/h程、輸入車や海外向けの車は70~90km/hのものもあります。

 もちろん、経済速度で走るよりも安全を優先してくださいね。
 周囲の状況を無視して、無理に経済速度にこだわるのは危険です。
 

5.サイドブレーキ、使っていますか

──苦労は分かち合うもの

 オートマチック車だとPレンジに入れれば止まるから、使わない人も多いパーキングブレーキ。
 レバー式のサイドブレーキが多いですが、足踏み式のフットブレーキもあったり、電子式で自動なものもあり、今では稀少なステッキ式もあり。

 パーキングブレーキは名前の通り、駐車時にクルマを止めておくためのブレーキです。
 でもPレンジで止まるからいいじゃん?役割カブってんじゃんwww
 とはならず、今も装備されている理由があります。

 今のクルマはほとんどが前のタイヤをエンジンが動かして進みます。
 そして、パーキングブレーキは後ろに効きます。
 つまり、パーキングブレーキを使うと、前と後ろの両方でクルマを止められます。

 ここでパーキングブレーキを使わないと、どうなるでしょう。
 後ろのタイヤは何もしないで、前だけでクルマを止めることになります。
 するとエンジンと車体を繋ぐゴムの部品、エンジンマウントに強い負荷がかかります。
 エンジンマウントは簡単には壊れませんが、ずっとクルマの重さがかかることで傷みが早まります。
 エンジンマウントが傷むと、クルマがうるさくなり、振動が増えます。
 つまり快適性をそこなうのです。

「このクルマ、ガタピシうるさいから替え時かなぁ…」
 そうなるまでを先送りできるので、クルマを長く乗って節約するなら、活用していきたいですね。

 注意事項として、ブレーキが濡れていて気温が低いと、サイドブレーキがかかったまま凍ることがあります。
 その場合はパーキングブレーキを使わず、車止めを使うことが推奨されています。



 かなり長くなってしまったので、今回はこれで一区切りとします。
 最後まで読んで下さった方々に、そして記事を書く背中を押して下さった方々に、深く感謝します。

 この記事が皆様のカーライフを豊かにする助けに少しでもなれば幸せです。
 
 第2部は、クルマのメンテナンスや消耗品についての内容となります。
 現在執筆中なので、興味のある方は気長にお待ちください。


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