カーライフをおトクに楽しむために 2 クルマの管理

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 このページは、カジュアルに苦労せず節約しようという方向性で書かれています。
 ボロボロのアルトを捨て値で買ってDIYで修理だ!というガチの節約志向の方には、物足りない内容となります。

 前回は、運転を工夫して節約しようという話を書きました。
 続いては、クルマのメンテナンスに関わる費用の節約についての話です。


1.長く乗ること

──節約のキホン。でも、それ以外の手もある。

 日本車はけっこう雑に扱っても、10年10万kmくらいは大きな故障なく走れるように作ってあります。
例えば、300万円の車を10万km乗ったら、1000km当たりで割ると3万円です。
だいたい給油1回当たりで割ると2万円ほどですね。

 じゃあ、メンテナンスをしっかりやって大切に扱って、20万km乗れたとしましょう。
その間に、修理費が50万円……いや多くみて100万円と考えてもいいです。
 すると、20万kmで400万円。1000kmで2万円。
2/3ほどになりましたね。


 ボロい車を長く乗って少し浮かすより、新しい車を気持ちよく乗りたい!って考えも良いでしょう。

 その場合は、「人気の車をキレイに乗る」これに尽きます。
下取りが高い車を買うことで、乗りかえによる出費を減らせます。
 ただし、事故をやったり扱いが悪いと、下取り価格が下がってしまうことに要注意です。

2. タイヤの空気圧は高い方がいい?

──指定値+0.1~0.2kgf/c㎡くらいがおすすめです

 燃費に関して、ちまたで良く言われていること。
最近の車は、瞬間燃費計がついているものが多いですね。
タイヤの空気を多めに入れると、燃費計の数字が増えて楽しい!おトク感ある!

 それは確かにその通り。タイヤに空気をいっぱい入れてカチカチにすると、燃費は良くなります。

ただし、「出費を減らす」という点では落とし穴が2つあります。

1の穴〜タイヤが早く減る


 タイヤが地面にくっつくところは平べったくなっていて、全体で車の重さを受け止めます。
でも空気を入れすぎると、気圧に負けて丸くなってしまいます。
丸いと、平べったいときよりも、狭い面積でクルマの重さを支えないといけません。
 タイヤの狭いところに負担がかかった結果、タイヤが早くダメになってしまいます。
これを「偏摩耗」といいます。

 タイヤが早く減ると、せっかく浮かせたガソリン代もパァ。それ以上に大きな出費となります。
逆に、空気圧が低すぎても早く傷みます。

 お高いタイヤを大切に使うために、空気圧は指定の数値から大きくズレないようにしましょう。

2の穴〜クルマの傷みが早くなる!

 タイヤの役割の一つは、道路からの振動や衝撃を和らげること。
カチカチにしたタイヤはよく転がるので燃費はよくなるのは先ほど書いた通り。

 でも、固いとクッションにならないんです。
 タイヤを固くすると、乗ってる人も乗り心地も悪くなります。そして、クルマ自体もガタガタ揺さぶられます。
タイヤが吸収し損ねたガタガタが、クルマのあちこちの部品に負担をかけ、寿命を縮めます。

 人が乗ってて快適じゃないタイヤは、クルマにとっても負担なのです。
つまり1台のクルマに長く乗るなら、空気圧の上げすぎは大きなデメリットを生みます。


3.タイヤとホイールの選び方は?

──靴は軽いほうがいい。

 はい、教科書……じゃなくて説明書をひらいてー。
車に取りに行くのは面倒な人は、ググってWeb取扱説明書をひらいてみてくださいね。

 大抵のクルマは、グレードが違うとタイヤ・ホイールの大きさも違います。
安いグレードはカバーついた貧乏っちい小さいホイールで、高いグレードは大きい格好良いホイール!

好みで選ぶのももちろん大事です。
でも、経済性で選ぶなら……

 スニーカーとゴツいブーツ、どちらが歩きやすいでしょう?
聞くまでもないですね、軽くて柔らかいスニーカーの方が楽に歩けます。
 タイヤ・ホイールにも同じことが言えます。
ホイールは大きな金属の塊なので、小さいほうが軽い。
タイヤも小さいサイズの方が細くなるので、燃費が良くなる。
 ついでにホイールもタイヤも小さいほうが安いので、さらに維持費が安くなります。

 じゃあ、もっともっと小さく細くすればいいんじゃないの?と思うかもしれませんが、注意点があります。
 最低グレードのタイヤサイズは、安全に走るには最低限これだけ必要だ、とメーカーが考えたものです。
 それより小さくするのはリスクが出るので、最低グレードのサイズより小さくするのは止めましょう。

4.豪華装備の良し悪し

──買った後も考えて

最近のクルマはハイテク装備も増えてきました。
 360°アラウンドビューモニター!前後衝突防止センサー!追従クルーズコントロール!
 運転をラクにしてくれたり、安全性を高めてくれる便利なものですね。

 しかしこれらも、便利だけで話は終わりません。
 センサー類は、バンパーやミラーなど、車の一番外側についています。
 つまり擦ったり傷めたりしやすい場所なのです。

 当然、壊れた場合、修理費はセンサー無しよりも高くなります。
 また全周囲モニターは、カメラの調整作業(エーミング)も行わなければいけないので、その工賃も乗ってきます。

 自動ブレーキも同様。飛び石などでフロントガラスが交換になると、自動ブレーキ対応のガラスを使い、カメラの調整工賃もかかるので、
 自動ブレーキ無しの倍ほどの費用になります。

 もちろん、センサー類があることで事故を未然に防ぐメリットは大きいです。
特に近年のハッチバック車は、バンパーが小さいため、バックでぶつけるとリアゲートやガラスも破損しやすく、被害が大きくなりがちです。
 それを未然に防ぐため、保険としてつけておくのも悪くはありません。
 ただし、センサーはその性質上、細い電柱やポールなどには反応しづらいので、油断せず自分の目で確認するようにしましょう。
 

5.高いエンジンオイルは何が良いの?

──良いことは良い。値段に見合うかは…


 ディーラーやカー用品店でオイル交換を依頼すると、大抵は何種類かのオイルを選べますね。
 安いのと高いのがあるけど、何が違うのでしょうか。

 また、説明書を開いてみましょう。
メンテナンスのページ、指定エンジンオイルのところに「SN 5W-30」や「SP 0W-20」など書いてあります。
これが、オイルを選ぶために大切な情報です。

「SN」「SP」など「S○」はAPI規格と言われ、ざっくり言うとオイルの世代を示します。
SL→SM→SN→SN+→SP の順に、新しくなっていきます。
 新しい方が高性能なので、原則、メーカーが指定するものより古い世代は使えません。
誤って使うと、エンジンの摩耗が早く進む、排ガスが汚くなるなどの問題を起こします。

 「5W-30」「0W-20」などはオイルの固さを示します。数字が小さいほど柔らかくなります。
柔らかいと燃費が良くなるけれどエンジンの保護能力は落ちるので、メーカー指定より柔らかいものは使えません。
固いのを使っても問題はありませんが、燃費は落ちます。

つまりメーカー指定が「SN 0W-20」と書いてあった場合、
・ベストバイはSP 0W-20
・SN 5W-30 や SN+ 0W-20 は使用可
・SM 5W-30 や SP 0W-16 は使用不可

となります。

 ここで、話を最初に戻しましょう。どれを選ぶべきか?
 基本は「使用できるオイルの中で、一番安いものを選ぶ」です。
選択肢のなかで一番安いものは、オイルの世代が古いことが多いので、要注意です。
ここがOKでオイルの固さもOKなら、それがベストと言えます。

 高いオイルは、エンジンが静かになる、ハードな走りをしてもエンジンを守るなどの付加価値をつけて高くなっています。
その中には低燃費性能もありますが、オイルの違いによる燃費の差はわずかなもので、
オイルの差額の元を取るのは期待できません。

 オイルにこだわりが無いなら、使えるものの中で一番安いものを買うのがオススメです。



 前回よりも小難しい感じになってしまいましたが、 すべて理解する必要はありません。
分からないところはディーラーや用品店の人に任せて、自分のできる範囲で節約していきましょう。

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