タイレノールとボパール

表題の2つは不測の事態に対応する企業の成功例と失敗例としてよく取り上げられるものです。品質管理にかかわる人間でありながら、恥ずかしながらつい最近まで知りませんでしたが。

事件の詳細はいつものようにグーグルなり、ウィキなりを見てもらうとして。

タイレノールは成功例で完璧に近い対応を見せた例ですが。感想は理想を貫くためには、それを支えるに足る余力が常に必要だということ。

いくら普段理想やキレイゴトを言っていても、いざという時にそれらを実現できなければ意味がない。選挙に出るときにきれいな公約を掲げたり、「お金のかからない選挙そして収支報告をします」と言ってても、いざ選挙結果が出た後に、その約束を守れたかどうかでその人物の器がわかる。言ったことを100%守るのが基本だが、仮に100%守れずとも、理由を説明するまではそいつの領域なのだから、誠意ある説明をするべきだろう。

一方の失敗例のボパールのほうは「兵力の逐次投入、各個撃破」の典型例のような対応です。

目先の損得や利害を考えるあまり、情報や対応が小出しになり結果的に利子や借金、何よりも不信感が残り続けることでかえって損害が広がっていくという感じになりました。

ふだんからの浪費は慎むべきだが、かといってここ一番の勝負所で戦力を惜しんではならない。「勝負所」「戦機」と見れば一見過剰にも見える圧倒的な戦力を投入して勝敗を決してしまうのが効率的なことが多い。将棋で言えば持ち駒の投入だろうか。

もっとも「勝負所」「戦機」の判断自体がなかなかに難しいわけだが。こればっかりは実戦を積むしかない。

そして私は逆の手法も心がける。「相手に戦機と錯覚させてカラ振らせる」努力をする。将棋ではなかなか難しいが、TRPGの場合は結構簡単にできる。

CIA(内部監査人)や行政書士資格から「ルールについて」、将棋の趣味から「格上との戦い方」に特化して思考を掘り下げている人間です。