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#ともだち

女風デビューして、身長や年齢、とにかく好みかな?と思うセラピストさんは全員フォローしてた。

ご挨拶DMを頂かないとコトがはじまらない要介護ユーザーだったから。今も変わってないけど。

彼もその中の1人だった。
ご挨拶DMから始まって、何通かやりとりをしたのち、なんか違うなと思ったので最初は返信せずに放置した。
それでも連絡をくれる彼に「予約は難しいからDM辞めたい」旨を伝えた。

じゃぁ、今日から俺たち友達な! 

この言葉を、信じるくらい私は初心者だったんだと今では思う。
デビュー直後の彼はとにかくマメだった。
毎晩深夜にDMでおしゃべりしてた。
予約がなかなか取れない相談も乗ったし、Twitterの写真どれがいい?なんて話もした。

なんとなく、ホスト界隈のお話で聞く「友営」とらやに近いのかな?なんて思ってた。
そのうち、予約もたくさん入るようになり、人気セラピさんになっても、関係は変わらずだった。

「いつか飲みに行こうね!」って話をしながら、定期的な近況報告は半年近く続いた。

担当ピが辞めちゃう!

あの子が辞めることもお話ししてた。
お見送りの時、何かプレゼントした方がいいのかな?なんて相談もした。チップ一択!という彼に、そりゃそーかー。なんて笑ったりもした。

あの子の最終日、2泊3日の貸切でお見送りをした。いつも泊まってたホテルから1人帰宅し、感傷に浸りつつ、今回のお見送りをリアルタイムで知ってる女風ユーザー友達に報告してた。

彼にも「無事お見送りした」旨とこれまで相談に乗ってもらってた御礼を伝えた。

当時の私は、女風セラピストとユーザーとの繋がりを分かっているようで全く分かってなかった。
辞めたあの子はお客様のお話をしなかったので、私との話を他のお客様にするなんて想像もしなかったし、セラピストってそういう職業なんだと思ってた。

担当ピって、〇〇?

今まで、あの子が誰なのか?を全く聞いてこなかったのに、急に聞かれてなんだか嫌な予感がした。「そうだけど、なんで?」

〇〇って人と同棲するみたいな
話をお客さんに聞いた時に辞める
って話を聞いて、その客が見せてく
れた写真と〇〇って人が全部一致し
たから、女ができたから辞めたんや
なぁって
改行含め原文のまま

セラピと客が出会って付き合うことも、絶対に無い話ではないと思う。

でも、セラピストの彼氏がいるのに、他のセラピストを呼んで、セラピストの彼氏の写真を呼んだセラピストに見せる…って、どういう状況???
あれ?私なんで昨日35万くらい払ったんだっけ?
あれ?なんか、さっきまで感傷に浸ってたのなんだっけ?

大混乱の中、ひとつだけ確信があったのは彼が私に嘘をつく理由(メリット)がないこと。
だからきっと、あの子の写真を「今度同棲する彼氏」と言って見せたお客様がいたのは事実だと思った。

彼女とお幸せに!

あの子は酔っ払うと調子に乗って余計な事を言う癖があって、前日に聞いた話も事実に思えてきた。

・貯金がなくてセラピスト始めたんだ!
・結婚資金とか、ないと困るでしょ!
・実はもう僕彼女いるんだ!
・僕はスゴイ美人と結婚するんだ!
・子供は可愛い女の子が出来るよ!

そうかー。私、昨日、同棲の引越し資金払ったのか…なんか、将来起業するための資金の方がよかったな…。
なんで、自分の写真を他のセラピスト呼んで見せるような客に手を出すかな?

私、なんの夢を見てたんだろう。
決められた時間にお金を払う。
私は払った分の時間を一緒に過ごした、ただそれだけなのに。

最初は、20歳そこそこの恋愛なんておままごとなんだから、どーでもいいや。ってやり過ごそうとした。でも、出来なかった。

「どうして余計な事言うの?知らない方が幸せだったんだけど!!」って彼に伝えてしまった。

俺の言う事なんて信じんでええやん

唖然とした。
「今日から俺たち友達な!」って言葉を真に受けてた自分に唖然とした。
なんなら、あの子がお客様と付き合って同棲するからセラピスト辞めることよりショックだった。
それくらい希薄な関係性しか築けない世界で遊んでいる事実にようやく気がついた。

多くを求めてるつもりはなかった。
何年も通ってる美容室の担当と同じくらいの関係を築けるかな?くらいのレベルだった。
でも、それすら求めるのは危険な世界だった。

自分も夜職した事あったし、今でもお客様と過ごした時間を大切に思い出す事がある。価値観は人それぞれ。私みたいに思い出してくれるセラピストさんもきっといるはず。
むしろ、彼も結局予約しなかった私とずーーっとDMし続けてくれた良いセラピストさんだと思う。

そして、私は当時予約用に使用していたアカウントを消した。
今でも、遠くから彼の活躍を応援してる。
そんな、馬鹿な初心者女風ユーザーのお話。

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