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フェブラリーS2021全頭考察

フェブラリーS2021出走馬の全頭考察になります。

1.アルクトス SC系 評価:★★

アドマイヤオーラ×シンボリクリスエスのSC系。アドマイヤオーラはアグネスタキオンの直仔だが、そのイメージにしてはSが強く、ダートが主戦場となっている。前走根岸S組は[4-2-4-74]。根岸S組はリズムが最も重要で、4着以下は[0-0-0-50]と散々。もしこの組から狙うとしたら、近走に条件戦を使用している、もしくはG1を制覇している等、他馬に無いような鮮度や格が欲しいところ。昨年4戦連続連対中という極上リズムで4人9着と敗れてしまっている以上、昨年より上の着順は考えにくい。根岸Sの内容も凡走後から短縮で綺麗にインを突いて、しっかりと走ってしまったように映った。鮮度がない上にある程度反動はある状態ということで、状況的にはかなり中途半端。

2.インティ LS系 評価:★★

ケイムホーム×Northern AfleetのLS系。父、母父共にS系のダート種牡馬になるが、同馬の場合は連勝の時もSというよりはLで圧倒していた感じだった。ただそれでも連戦連勝のツケは大きく、今は不振期のような状態に入ってしまっている。チャンピオンズCで巻き返したように、気分良く行ければ反応するあたりは、Sだけではない感じは伺えるものの、もう全盛期の力に戻ることは難しいだろう。前走東海S10着以下は[0-0-0-2]。元々平安Sが似たようなローテを担っていただけに、サンプル数は少なめ。一応、前走は執拗に絡まれていたため仕方ない敗戦に思えるが、連戦連勝の時期にはこういう事象が起きなかったことを考えると、やはり求心力(=他を寄せ付けない力)が落ちている感は否めない。

3.エアアルマス M系 評価:★☆

マジェスティックウォリアー×NokazeのM系。父はエーピーインディの直系で血統的には米国産のS系種牡馬だが、代表産駒がベストウォーリアということで、まとまりに近い種牡馬かも知れない。現に同馬も走りが優しく、闘争心全開のSというよりかはまとまっている印象を受ける。前走チャンピオンズC、JCD組は[4-2-2-9]で、10着以下は[1-0-1-3]。巻き返した2頭はベストウォーリアとゴールドドリームの2頭。全盛期を過ぎながらも、間隔を開けてリフレッシュしつつ得意距離への短縮という形だった。エアアルマスもベストウォーリアと同じ父なので、若干気になりはするが、今挙げた2頭よりは格が落ちる。また2戦連続1秒以上負けている状態なので、リズムも物足りない。もう少し叩いてからか。

4.エアスピネル M系 評価:★★★

キングカメハメハ×サンデーサイレンスのM系。父は体力、量優勢のややLが勝ったM系種牡馬で、母父はSやCを供給するSM系の種牡馬(父ではC系種牡馬)。同馬はサンデーサイレンスの後ろもノーザンテーストがいて、リーディング種牡馬を付け続けた分かりやすいM系配合馬になる。前走チャンピオンズC、JCD6~9着馬は[0-0-0-4]。前走は延長で後方に控える逆位置取りの形だったし、結果的に武蔵野Sの反動が残っていたのかも知れない。まだダート戦は4戦しか使われていないので、凡走後の実質ダウン戦で得意のマイル戦なら巻き返しがあっても驚けない。年齢を重ねてさすがに我慢強さは薄れていると思うし、元々芝の実績馬なので、上位に食い込むためには外目の枠を引きたいところだ。

5.オーヴェルニュ  S系 評価:★★☆

スマートファルコン×タニノギムレットのS系。父はS系の種牡馬で、母父もS系の種牡馬(母父だとCも与える)。同馬は父のSを受け継ぎつつ、母方からCも供給しており、精神構造のしっかりしたタイプになっている。前走東海S1着馬は[3-0-1-2]。近年はフェブラリーS自体がリズム重賞と化しており、根岸S同様前哨戦の着順がそのまま本番に直結する形が増えた。マイル実績が全く無いのは気になるが、一応1200mでも勝利経験はあるので、この短縮が駄目ということもないだろう。前走はHペースの前が崩れる展開だったので、前で踏ん張った点はある程度評価できるし、重賞を使われたのも前走だけなので、その点もプラス材料。鮮度を生かしてどこまで。

6.カフェファラオ L系 評価:★★☆

American Pharoah×Mary's FolliesのL系。父はまだ産駒の数が少ないので、何とも言えない部分はあるが、同馬を見る限り体力と量で押すL主導のタイプだろう。同馬の戦績を見ても、揉まれて凡走した後の外枠替わりで結果を残している。前走チャンピオンズC、JCD6~9着馬は前述したように、[0-0-0-4]。交互系なので凡走後のダウンという臨戦は悪くないが、同馬は短縮が合わない。内枠に入ってHペースを揉まれるような競馬だと脆さを露呈しそう。まあ鞍上が揉まれない位置を取る天才のルメールなので、そこが面倒臭いところではあるが。あとまだ4歳馬で鮮度も一定以上は保有しているという点も面倒臭い(笑)。M的には切りたいところだが、中~外枠なら押さえるのもしょうがないというのが個人的評価。

7.サクセスエナジー  SL系 評価:★★

キンシャサノキセキ×ジャングルポケットのSL系。同馬はキンシャサノキセキらしい量の乏しい一本調子なS系で、緩急のない持続質戦を前で踏ん張る形が合う。前走根岸S10着以下は[0-0-0-13]。アルクトスの欄でも述べたように、根岸S4着以下から複勝圏内に好走した馬は1頭もいない。というわけで、ローテ自体はかなり厳しいローテにはなる。しかし、同馬は中央のG1では2年前のフェブラリーS以来になるため、戦績の割には鮮度を保有している。前走も0.0差激走後という事を踏まえれば、そこまで負けてはいない。先行力が落ちているのは気になるが、前走も前には行けていたので、インティに忖度せず飛ばして逃げることが出来るかが鍵を握る。

8.サンライズノヴァ CS系 評価:★★☆

ゴールドアリュール×サンダーガルチのCS系。父はややC要素が強めに出ているM系種牡馬で、母父は典型的なM系種牡馬。同馬はダート馬にしては珍しいまとまり系配合馬で、他のダート活躍馬に比べ相対的にSが弱い分C要素が目立っており、CS系という評価になる。前走チャンピオンズC、JCD10着以下は[1-0-1-3]。一見、実績が豊富なように映るが、中央ダートG1に限れば[0-0-1-4]で、人気以上に走ったのは昨年のフェブラリーSでの3人気3着の1回だけ。破壊力を上げるには、先行→差しに回る位置取りショックだと思うので、その点でも評価を上げづらい。交互の形はいいし、東京マイルも合うので、前走よりは買えるとは思うが…。取捨難解な1頭。

9.スマートダンディー LS系 評価:★☆

エンパイアメーカー×Mr. GreeleyのLS系。父は優しいS~SM系といった種牡馬で、母父は母父としてボスジラ、ポポカテペトル兄弟がいるように、パワー、体力優勢のL~LC系の種牡馬。同馬も母父の影響が出ているのか、強いSというよりかはLS系のようなL主導の馬だろう。前走根岸S10着以下は前述したように[0-0-0-13]と相性は良くない。一応重賞は3回しか使用しておらず、初のG1戦ということで鮮度は保有しているものの、G3で11人気11着からG1で馬券圏内に入るのはさすがに厳しいと言わざるを得ないか。外に出してから伸びてきたギャラクシーSでの内容を見ても、いかにもダウンに反応したように映ったので、やはりちょっとピントはずれる。

10.ソリストサンダー CS系 評価:★★★☆

トビーズコーナー×スペシャルウィークのCS系。父は産駒の数が少なく、何とも言えない部分はあるが、チーフズクラウン経由のダンチヒ系でM系~LC系といったタイプだろう。母父はディアドラを見ても分かるように、淡白な父に勝負強さを与えるのがウリ。前走OP特別組は[1-0-0-11]。唯一激走したのはコパノリッキー。あの時は3人気9着から16人気への超人気急落と、前に行く位置取りショックを仕掛けていた。同馬は武蔵野S11人気2着激走後にしっかりダウンでも勝った内容は良かった。母母父にはブライアンズタイムの名前があって、大物食いの可能性は感じるし、4走前にはまだ条件戦を使用していて鮮度も十分。これくらいの停滞したメンバーなら、一発があっても良い。穴人気すると嫌だが…。

11.ヘリオス S(LC)系 評価:★★★

オルフェーヴル×フレンチデピュティのS(LC)系。父は量の無いS系種牡馬で、母父はパワー、体力優勢のS(LC)系種牡馬。同馬はオルフェーヴルのSを受け継ぎつつも、まとまっている印象を受ける。おそらく母母父がフジキセキで、その後ろにはヌレイエフがおり、そこからCやMを供給しているからだろう。前走根岸S6~9着馬は[0-0-0-21]で相性は最悪。ただ前走に関してだけ言えば2走前に-12と絞って激走後だったことに加え、出遅れてHペースを前に行った挙げ句、直線では前が詰まるという最悪の展開だった。それでも前が空いてからはしぶとく内から伸びており、走る意欲は感じる。メンバー中2頭しかいない5走以内に条件戦を使用している鮮度や異端性もある。穴ならこれか。

12.ミューチャリー S系 評価:★

パイロ×ブライアンズタイムのS系。父はプルピットの直仔で単調なスピードとパワーで押し切る米国産の短距離ダート種牡馬。母父はSやCを供給するチャンピオンタイプの種牡馬。前走川崎記念組は[2-5-2-18]。この臨戦は大幅短縮になるため、位置取りショックを仕掛けられる先行している形が良い。現に3角4番手以内が[2-5-2-12]なのに対し、3角5番手以下だと[0-0-0-6]と相性が悪い。同馬は昨年の川崎記念の内容が良かったので、フェブラリーでも評価したが、結局11着。出遅れていたとはいえ、やはり地方馬ということで、高速馬場のスピード勝負に対応できていない印象を受けた。今年は3角8番手から5人5着後という臨戦。能力的には通用しても良いが、臨戦的には厳しい。

13.ヤマニンアンプリメ SM系 評価:★★

シニスターミニスター×サンデーサイレンスのSM系。父のシニスターミニスターはエーピーインディの直系で、いかにも米国産のS系ダート種牡馬。母父のサンデーサイレンスはSやCを与えるSM系の種牡馬(父時代はC系種牡馬)。前走根岸S6~9着馬は前述したように[0-0-0-21]。出遅れていたのでもう少し上の着順はあったかのように思えるが、一応Hペースで差し馬の優勢の流れをスムーズに回ってきたところを見ると、展開は向いていたように思える。地方交流重賞ばかりなので、戦績の割にはまだ鮮度を保有しているが、やはり単純に能力不足と臨戦過程に問題があるとは思う。久々のマイル戦というのは不気味だが。

14.レッドルゼル SM系 評価:★★☆

ロードカナロア×フレンチデピュティのSM系。父はL~LM系の量が豊富な種牡馬で、母父はパワー、体力優勢のS(LC)系種牡馬。同馬はロードカナロア産駒でLを保有しつつ、安田隆行厩舎ということでSも保有し、SM系といったところか。根岸S1着馬は[3-1-3-6]。複勝率50%超えに加え、単回収率143%、複回収率167%と、一昔前よりも相性はかなり良くなっている。ただ同馬は戦績が交互になっているし、馬群を抜けてきての0.0差1着という内容はいかにも反動が大きそう。S系種牡馬で連チャンの推移なら買ってもいいが、カナロアなら反動の方に賭けたくなるレベルで、やはりM的には切りたい馬になる。まあ例年に比べてかなり低レベルなので、こういう臨戦の馬でも走ってしまう可能性は捨てきれないが…。

15.ワイドファラオ SM系 評価:★☆

ヘニーヒューズ×アグネスタキオンのSM系。父のヘニーヒューズは米国産のダート種牡馬にしては量もあり、休み明けでの競馬を得意とする産駒も多い。母父は父の時代ではL系だったが、母父ではしぶとさやSを付与する種牡馬。前走チャンピオンズC、JCDを除いた休み明け組は[0-0-1-10]。好走したのは武蔵野Sから来たサンライズノヴァ。Hペースを前で粘って軽く凡走した後に、差しに回る位置取りショックを仕掛ける形であった。休み前に苦を味わってからの解放感がある形が理想的か。同馬は重賞3勝がいずれも逃げる形なので、今回逃げられれば解放感はある。しかし、それ以外のレースでは踏ん張った姿を見せておらず、相当楽に運べないと投げ出してしまいそうだ。超スローの単騎逃げ待ち。

16.ワンダーリーデル C系 評価:★★

スタチューオブリバティ×マヤノトップガンのC系。父は典型的なC系種牡馬で、母父は量の無い体力優勢のS系種牡馬(ブライアンズタイムを淡白にした感じ)。母父を考えてもSもあるだろうが、相対的にはCが秀でたタイプになる。前走根岸S2着馬は[0-1-1-9]。好走した2頭は、どちらもリズムの良いまとまり系で、軽い人気落ちに反応した形。同馬の場合はCが強く、まとまり感はないので、やや好走パターンとはズレる。前走は多頭数内枠のHペース混戦ということに加え、人気も落ちて完璧なタイミングだったので、さすがに上積みはないだろう(じゃあ前走買えよって話だが…)。ややセカンドクラスに落ち着いた感じもするので、またG3あたりの混戦で狙いたい。

まとめ

☆ソリストサンダー
☆ヘリオス
☆エアスピネル

★4つ以上を1頭も付けなかったように、一長一短なメンバー構成ですね。その中でもソリストは一番穴が少ないかなとは思います。個人的に惑星はヘリオス。前走出遅れから無理やり位置を取りに行って、Hペースに巻き込まれる厳しい競馬だったのですが、それでも最後は内から差を詰めていましたからね。通過順だけ見たら4番手からただバテたような形ですが、内容的にはVラインみたいなイメージです。

エアスピネルはダートコースの中なら芝スタートの東京マイルが一番合うと思うので、外目の枠から自然と中団の形なら。一線級相手にはもう厳しいでしょうが、メンバー的には前走よりかなり楽になったと思うので。休み明け特注キングカメハメハ+まとまり系のダウンってことで。

以上です。
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