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生きることの科学2・この世の二つの原理

この世は確定性と不確定性の二つの原理で成り立っていると考えられます。

自然界の全てが確定している場合は、進化において確定しているため、学習は必要がなくなります。

逆に、全てがランダムで不確定の場合も学習が必要なくなるからです。

例えば、ある場所に美味しいものがあるとして、それが確定しているなら、記憶や学習は必要ありません。また、美味しいものがランダムに存在した場合、記憶や学習は必要ないです。

ある条件の整った場所に、ある確率で美味しいものがあるから、学習が生まれます。この学習にはドーパミンという報酬系の物質が必要なのですが、ドーパミンは報酬の大きさではなく、期待値を超えた場合に放出されます。完全にランダムだったり、完全に決まっている状況下では、ドーパミンは放出されないと考えられるので、規則性と不規則性のなかで学習は行われると言っていいでしょう。

自然界は規則性と不規則性で成り立っています。これを1/fのゆらぎと言います。そよぐ風、瞬く星の光、揺れる炎、全て1/fにゆらぎます。そして、健康な人間の脈拍、脳波、重心、これらも1/fにゆらいでいるとされます。これは規則性と不規則性、確定性と不確定性、二つの原理がこの宇宙を貫いているからだと考えられるのです。

マクロの世界で見ると、確かに何らかの規則性・法則性があります。重力があるから物質が上から下へ落下しますし、太陽の周りを地球は回ります。しかし、超ミクロの世界では、不確定性原理が働きます。相対性理論と量子論が統一できるかどうかはわかりませんが、原理が二つあると考えれば統一する必要はなくなります。

もし、一つの完全な規則的な原理のみが宇宙に存在しているなら、この宇宙は開闢し、生成発展することはなかったかもしれません。しかし、この宇宙は対立つつ調和し、生成発展を繰り返します。

そして、この宇宙に不規則性を与えているのが生命性であり、その流れの先端にいるのが、私たち人間という知的生命体なのかもしれません。人間が、単なる生存だけではなく、人生を楽しむのは、不規則性を有しているからではないかと思うのです。

前回は、因果律という規則性について書きましたが、今回は不規則性・不確定性について書いてみました。ここはまだ述べたいことが色々とありますが、長くなるので、この辺で。

では、また。


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