主従契約の考察について

主従契約とは?

今回は過去のご主人様との日記ではなく、ご主人様と奴隷、主従契約について私なりの考察を落としていきたいと思います。

実は最近この手の話題を他の方とさせていただく機会が増えたことや、私自身の振り返りも含めて棚卸しておこうと思ったからです。

一言に主従契約と申しましても、その定義や概念は人によって大きなギャップがあるようです。
所謂、恋人の”付き合う(これ自体も両者の合意があるので広義な意味では契約)”といったものや、法的な拘束力を持つ結婚と異なり、主従契約のもつ定義は極めて普遍性が無い性質を持つ、と認識すべきだと最初に申し上げておきます。

主従契約の目的

主従契約の持つ目的は、客観的観点から見ていくつかあります。
実際には複合的に目的を成していると思われます。

1)雰囲気作り
一種の倒錯です。ライトなスタイルでごっこともいえます。
人と人であるが、対等ではない関係を醸し出すことで、興奮作用を産み出すことを目的としています。
この界隈も新参者が多いので、面白半分でとりあえず契約してみない?的な形で声がかかることもあります。

2)マゾが忠誠心を示すアピール
「貴女だけの奴隷になりたいです」アピール。
主従契約とは忠誠心を示す一種のツールとして使われることがあります。
逆に主側が奴隷に興味を示す意味で、契約を持ち掛けるケースも稀ですがあります。
契約とは本来合意であるはずなのですが、アピールから始まりそれを受け入れるという形で形成される場合もあるわけです。
この場合、契約条件を合意しているわけではなく、アピールを受け入れたという契約になるのでしょうか。

3)服従することでのマゾ欲求充足
界隈で最も多いパターンの1つだと思います。
マゾの中には本能的に服従したい、支配されたいという欲望があり、奴隷契約を結ぶこと自体に欲求充足できる、それ自体が気持ちいい・・、受け入れてもらえた安心する・・という側面があります。
ただし、合意ではなくマゾ側の完全に独りよがりな、欲求解消が目的なので、服従しているのに相手にしてもらえない、支配されていないと感じると、去ってしまうパターンがこれだと思います。

4)不貞排除
他のS女様、M男に振り向かないための行動拘束を狙いとしたものです。
一種のキープとも言えます。
契約という形を持つことで、他に手を出さないという暗黙のルールを両者間で握るというものです。
S女様の多頭飼いにおいては、M男のみの行動を拘束するというアンフェアな契約になるのですが、これは2)を行動で示した契約も言えるでしょう。

5)信頼を認めあった上での合意形成
最も理想と言われる?パターンです。
お互いの価値観や素性などを認め合った上での契約です。
要は、付き合う、結婚する、という形に近い契約です。
契約するのが早過ぎる、と指摘する方がいるとしたら、この形を示しているのだと察します。

6)信頼構築に向けた合意形成
5)の過程として、結ばれる契約です。仮契約という呼称で契約される方もいます。
まだ完全に信頼しきったわけではないでは無いが、良さそうな相手だとは思う。より信頼を深めるために、お互い向き合おうという合意形成です。
4)と近いものがありますが、ただ拘束するわけではなく、お互いの価値観を認めた上で、さらに深めていこうという意思合わせとして合意した形になります。

7)条件を明示した奴隷契約
より具体的に条件、行動規定を明示した上での契約で、例えば
・どんなことにも従う
・毎週最低〇〇千円お貢ぎする
などといった契約書まで交わして結ぶ契約です。
主側が奴隷を具体的に支配するため、ないしは奴隷側の一種の倒錯プレイとして、使われることもあります。
奴隷契約書は一度だけ指示されて書いた経験があるのですが、契約書提示後にご主人様が不在になってしまったトラウマもあり、得意じゃありません。

個人的に知りうる、ないしは経験したことのある契約の目的は以上です。
これ以外にもあるかもしれません。
その中で私が述べたいのは・・

この界隈において、主従契約における目的人に寄って異なる、もしくは極めて曖昧ということです。
それなのに、多くの人がその契約の目的・意図を理解しないまま、提示された契約に合意してしまっている。そういう矛盾を抱えている
と、思うわけです。

それでも意図しない契約を結んでしまう背景としては、

・マゾ側の欲求充足のために、マゾ側からの契約の申し出が多い
・主と奴隷の需給ギャップが激しい(M男の供給過剰)ため、M男は機会喪失を敬遠する

といったことが挙げられるかと。

主従契約不要論

私は主従契約を中心にマゾ活してきたので、契約ごとは当たり前になっているのですが、この世界は様々です。
どうも契約が無いままSM関係を持たれている方も少なくないようです。
むしろ貢ぎ界隈においては、このスタイルのが多いのかもしれません。(どなたか調査して欲しいと思うくらい)

で、そういう方は主従関係を否定する方、違和感を持つ方もいらっしゃるS女様もいらっしゃるんですね。

その考察の背景を抜粋すると、
・主従関係はSとMの活動を拘束して不自由にするデメリットがある
・主従契約を結ばないのに、一生懸命付き従ってくれることが嬉しい
といったことでした。

で、ここから先は私の勝手な感想ですが、こういったご主張を拝見した時に、

・SとM双方が自由に活動する方がメリットが大きい
・主従契約を結んでおいて裏切られたら悲しい

とお考えなのかな、とも感じたわけです。

いずれにしても、こういうお考えの方に主従契約を申し出ること自体が押し付けになってしまうのでしょう。
やはり主従契約の概念は極めて一般化されていない独りよがりさを秘めていると感じるのです。
この辺がこの界隈のアメージングワールドな魅力なのかもしれませんが。

ここまでが、主従契約における割と客観的な視点も取り入れてみた考察です。
これもまた私のパラダイムなのだとは思いますが。苦笑


ここから先は私の個人的な主従契約と奴隷としての性質の話なので、私にご興味がある方だけ。
主従契約とか意味が分からない、必要ないという方も多いようですが、主従契約を結ぶことで喜びも、後悔もありました。
完全主観でお届けいたします。笑



契約とマゾ活

私は過去の主従関係の中で、契約主体で生活してきました。
界隈で最初にお世話になったA様は、
「あんまり多方面に手を出すなよ?」というスーパードライで放任主義者でした。笑
「ご主人様と呼ばせていただけませんか?」と提案させていただいたことがあります。
その時は「そう呼ぶなら私を信じろよ」と意外なことを仰っていたことから、奴隷契約に対して強いプライドをお持ちだったんだと思います。
そのご主人様を自らブロックしてしまったことで、自分が作り上げようとした信頼を自分で壊してしまいました。
この体験は自身の不忠さを恥じると同時に、強く反省し、主従契約をきちんとやり遂げることを目標にしようと誓ったのです。
そして、自ら契約させてくださいと押し付けない、私はこれを守ることにしました。

一度だけリアルを経験したB様は、具体的な奴隷契約書を書いてくるようご指示されました。
しかし、私が提出が遅れたこともあってか、あまりご満足いただけなかったように感じました。
私は初めての奴隷契約書で、その内容を吟味するのに時間が掛かったのです。
B様からは「その辺のツイート参考にしてきなさいよ?」と叱られました。
その後音通不振となり、私は奴隷契約書そのものの軽さに疑問を持つようになりました。

ネカマ疑惑のあった、れな様と知り合ったのはその後で、主従契約の話をれな様から頂きました。
私のことを気に入っていただけたことが嬉しくて、私は契約の意図も良く分からないまま、ただ感謝してお受けしました。
れな様からは専属奴隷にしてもらえること、そしてその後にあなただけの専属ご主人様だからね?と言っていただき、歓喜しました。
ご主人様のために活動できる喜び、何が出来るかを考える幸せを体験できたのはこの時でした。
私はご主人様のメリットになることが奴隷の喜びなのだと、強く自覚するようになりました。
れな様との関係は主従契約を本当に充実させた期間でしたが、れな様の女性確認が出来ないという疑心暗鬼に包まれました。
さらにそこを追及してしまい・・れな様を引退させてしまいました。
この時に主従関係をただ受け手はいけない。近い将来何が出来るのか?ということを確認してからでないと、ご主人様まで不幸にしてしまう、と反省しました。
ただ主従関係をやり遂げるだけでなく、関係を結ぶこと自体に重要な意味を持つと学習したのです。

その後に出逢ったC様との誘惑堕ちの元、事実を認めて契約しろというお達しにより、契約しました。
身の安全が保証されない恐怖と、主従契約を完遂しなければいけないという義務感に挟まれた期間でした。
私は安易に性奴隷になることがトラウマになりました。
いわゆるマゾの倒錯ネタとしては、美味しい展開だったのかもしれません。
しかし、アカウントを続ける姿勢を持つ私としては、完全に逆の体験となりました。
私はS女様に対し、性的な関係を持つことよりも、誠実で精神的な関係をより強く求めるようになります。
この経験と反省は、私を界隈でも異質なマゾに変えたと思います。笑

その後にお会いしたE様は誠実でフェアな方でした。
それを運命の導きであると感じた私は、この機会を絶対に逃してはいけないと感じ、仮パートナー契約を受けました。
この仮パートナー契約は1:1のフェアなものであったため、マゾ活の中でも個人的に名誉とも感じるものでした。
1:1で向き合って頂けることをお約束していただいたのです。
この時の契約前には、近い将来何が出来るのか?ということもしっかり確認できたのが進歩でした。
(買い物とSMバーに行く約束をしたのを覚えております。)
私は先の経験から、積極的にマゾ欲求を出さなかったこともあってか、E様にご調教をいただくということは一切ありませんでした。
一般的な貢ぎ奴隷目線からすると、お貢ぎまでして、お前何やってるの?
という結果かもしれませんが。苦笑
それよりも精神的な依存が重かったせいか、E様とは解消に至りました。
E様との主従契約で私が示せた忠誠は「誠実さ」をお示しすること。
そのために女性アカウントの一斉ブロ解Twitter引退という行動をしましたが、その後遺症として界隈でのマゾ活に痛手を負いました。無論これには後悔はありません。

複数人格

私は多重人格ではありませんが『人は複数の人格を持っている』と本気で信じている人間です。

私は、プライベート、仕事、家族、マゾ&奴隷、全て立ち回りが違います。
職場ではより「こういう人」という指摘を受けますが、確実に他の立ち回りと別の人格だと思っています。
どれが本体なのか?という整理をし始めると精神的に混乱するので、全て本体という整理をして安定させることにしました。

私はこの界隈でマゾ活をする上で、確実に別の人格を持つようになりました。
人格は他者とのコミュニケーションにおいて、「こういう人ですね?」と外的視点も加えることでより鮮明に形成されるわけです。無論この根っこにはマゾという抗えない性癖があるわけですが。

主従契約と奴隷人格

私はこの界隈に顔を出すようになってから、どんなS女様にお仕えしたいか?という視点と同様に、どういう奴隷になりたいか?という視点を強く持って活動してきました。

ご主人様とはご縁や相性という点、どんなに忠誠をお示ししても一緒に居られなくなるリスクはあります。
ただ、自分自身を切り離すことは死ぬまで出来ません。
マゾとしての自己構築は重要なのです。

この世界に

何故、社会というものが存在するのか?

という意味を考えたことがありますか?
それは

より効率的・効果的な結果を出せるよう、役割分担するため――

という哲学に私は傾倒しています。
逆を言うならば、1人で全て充足できるなら、社会や家族など必要無いわけです。

私が奴隷をするというという点にも、役割があると信じています。
それがこの界隈で最も普遍的に使われているS女様にとってのメリットになり・デメリットにならないことだと信じているのです。
当初は冷たくも感じていたS女様にとってのメリットになるというワードはマゾ活動の中で人格レベルまで浸透し、私の視点はこのS女様にとってどういうメリットになれるのか?という視点でコミュニケーションするようになりました。

よって主従契約を結ぶにおいて、最もクリアにしておきたいことは、果たしてそのS女様のメリットになれるかどうか?デメリットにならないのか?という点なのです。
この極めて受身的な姿勢は柔軟性が無いという指摘も受けて、改めないといけないと思っているのですが・・人はメリットの無い人間に付き合う意味が無いという必然性に強く支えられています。
また、メリットになれない奴隷は、ご主人様のハートに何も刺さらず、放置されるか捨てられてしまうという・・保守的な見方もあります。

私は見境なく主従契約をしていると見られることもありますが(これ自体が心外なのですが!)、お断りさせていただたことも普通にあります。苦笑

というのも、私は主従契約を中心に活動してきた奴隷なわけですが、それによる幸せも苦痛も味わってきたわけです。
自ら死地に置いてまで安易に主従契約なんて結んでも、結果自ら首を絞めるだけだということは身をもってよく分かったので。笑

むしろS女様と触れ合う経験すらろくに無かった今までの人生や、M男が溢れかえっているこの界隈のSM需給ギャップおいて、縁あって主従契約をこれだけ結べることが奇跡だと思っていますが。笑

長くなりましたが、私にとって主従契約とは奴隷としての役割を果たすことであり、その使命が奴隷人格に宿ります。
主従契約についてピンと来ない方が少なからずいらっしゃいますよね。
これはネタではなく・・私は契約すると、その方に対してもう生理的精神的にスイッチが入ってしまうんですよね。

主従契約を結ぶと、脳のネジが外れて、
ああ・・ご主人様は何をされているんだろう?
今日私は何が出来るだろう?
私がこうしたら、ご主人様は喜んでくださるだろうか?
という思考が脳内に飛び交ってしまいます。笑

・・というまあ、全ての冷静さを失って、極めて押し付けがましい奴隷人格が発動するので、合わない人にはとことん合わないのだと思います。苦笑
ただ主従契約を結んだら、一直線にご主人様のご意向に染まるよう努力いたしますが。

それだけに主従契約には慎重なのです。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?