便器奴隷の始まり

夕暮れの街中。

コインパーキングに止めた車の中で

色々と考えていた

便器を5個も舐めて、しかも動画撮影しなきゃならない

もちろん拒否したい。逃げ出したい

ゆきか様から逃げる方法ばかり考えてしまう

もしかしたら

逃げ出したとしても本気で家や家庭を巻き込む様な事まではしない可能性だってある

でも・・・彼女は実際に自分の家まで来ている

裏切って逃げたら・・・

どうなるか

自分の写真はたくさん送っているしメールだってある

もしそんなものを家や近所にばら撒かれたりしたら・・・

本当に自分は破滅する

会社の社員に知られてしまい、妻とは間違いなく離婚されてしまう

そんな最悪な未来を避けるためにはなんとかして穏便にこの関係を終わらせるしかなかった

今は従うしかない

便器を舐めるだなんておよそ人のする事じゃないのに、それをするために自分は郊外の大きな公園を目指す

そこには男女共用の多目的トイレと男性用トイレがある

本当は男性用の便器なんて舐めたくない

舐めるならまだ女性用トイレの方がいい

でも・・・女子トイレに侵入しているのが万が一に誰かに見られてしまったら

本当の犯罪者になってしまう・・・動画も撮影しなきゃならないのだ

運良く誰にも見られる事がなかったとしても

自分の女子トイレに侵入しましたっていう証拠の動画を自らの手で撮影する事になる

マゾとしての惨めな行為だけなら、まだ言い訳もできるけど、犯罪行為は言い訳ができない

自分は仕方なく・・・男性用の便器。もしくは男女共用トイレの便器を舐める事を決意したのだった

太陽も沈み暗い公園を進む

夜とはいえまだ早い時間だった事もあり

散歩している人とすれ違うこともあった

駐車場から離れている公園のトイレが見えてきた

ゆっくりとそこへ向かう

辺りに人がいないかどうかを慎重に確かめながら男性用のトイレへ入る

中には誰もいない

周りにも人はいなかった

やるならさっさと済ませてしまうべきだと思い準備を始める

トイレの壁にスマホを立てかけて動画撮影を開始する

周りの気配を探り、もう一度誰もいない事を確認して

床に手と膝をついて四つん這いの姿勢になる

目の前にあるのは男性が立ったままおしっこを出す小便専用の便器だ

いつも自分だって何も考えず当たり前のように使うものだ

四つん這いの姿勢で見上げるそれは使っている時には感じた事もないとてつもない大きさで自分を圧倒した

こんなものを舐める・・・

考えただけで頭がクラクラする

でもやらなきゃいけないのだ・・・逆らえないのだから・・・

自分の置かれた状況が本当に惨めで自然と涙が溢れてきた

舐めたくない舐めたくない舐めたくない舐めたくない・・・こんなもの舐めたくない

震えながら顔を便器へと近づけていく

公衆トイレのなんとも言えない不快な臭いを更に凝縮した強烈なアンモニア臭が鼻腔を駆け抜ける

『ゔ・・・』

頭がそれを理解するより早く身体は正直な反応を起こした

『ヴッ!グェェェェェェェェェッ!!』

四つん這いの身体を支えていた手はソレを止める事はできず、自分は無様に胃の内容物を便器へとぶちまける

ビチャビチャと音を立てながら盛大な嘔吐を繰り返す自分

便器のアンモニア臭と自分の撒き散らした吐瀉物がさらに吐き気を催す最悪の悪循環だった

舐めるどころか臭いだけで嘔吐してしまうとは自分でも思っていなかった

このまま便器を舐めるなんて無理だと思い、一度諦める

スマホの撮影を止めて急いでトイレを出て近くの水道で何度も何度もうがいをして手を洗う

それでもアンモニア臭がする様な気がして気分が悪くなる・・・

気分が落ち着くまで近くのベンチに座り空を見上げる・・・

あいにくの曇り空で星を見たりする事は叶わないけど・・・上を向いていると次第に身体も落ち着きを取り戻し始めた

深く深く深呼吸をして・・・

ゆきか様に先程の動画を送る

便器は舐めていなかった動画だけど・・・これで許してほしい・・・そんな願いを込めて送った

そして数分後

動画に既読の文字がついた・・・

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