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一等星の君へ(20230615)

世にアイドルグループは数多あり、アイドルを職業にしている人はそれこそ星の数程いるけれど、ホシ君ほど苛烈なアイドルはいないと思う。
ホシ君より歌がうまい人も、踊りがうまい人も、スタイルがいい人も、顔がかっこいい人も、きっとたくさんいるけれど、ホシ君ほどステージの上で魂を燃やしている人はいないと思う。
それこそ、その一点において、わたしはホシ君のことを、百年に一人のアイドルだと思っている。
当代随一、生粋のアイドル。
君がステージの上で輝くのは、君の魂が削れて燃えあがり、煌めいているからだ。

ホシ君のことを語る上で「覚悟」という言葉が欠かせないと勝手に思っている。
練習生時代、ホシ君の練習における厳しさは、今やすっかりみんなの語り草になっているけれど、その時のことをホシ君は次のように語っている。

(最初17人でデビューするという話だったから)練習生がすごく多くて「自分は17人の中で出来るだろう」と適当な子もいて、僕にはこれしかないのに、適当な人と一緒にデビューしたら僕は失敗すると思った。
僕は本当にこれしかなかったんです。これがうまくいけば僕の家族もお世話できるようになるし。

ホシ君の言うことはもっともだった。もっともすぎた。そして、十代の子が抱えるにはあまりに重すぎる覚悟だと思った。覚悟。アイドルをやり通す覚悟。家族を支えるという覚悟。どうなってもステージに立ち続けるという覚悟。
ホシ君の全身から滲む覚悟は、いつだってわたしをどうしようもなくひりつかせる。

2018年、ホシ君はコンサート中に右肩を脱臼していた。わたしはその時の映像をYouTubeで偶然見つけて、震えあがった。
肩が外れて激痛のあまり立っていられずにしゃがみこみ、その後暗転と同時にはけたホシ君は、公演の後半、なんと肩を嵌め直して戻ってきていた。
気が狂ってる、と思ったのだ。良し悪しではなく、現実として、狂ってるとしか思えなかった。
外れた関節は、嵌め直したからといって、痛みがなくなるわけではない。外れた衝撃で筋だって痛み、腫れあがるだろう。普通はそのまま三週間くらいは安静にしておくような、そんな怪我だ。
それなのに、ホシ君は戻ってきた。何事もなかったかのように、冗談のように笑って、最後まで踊り抜いていた。
呆然とした。こんな人、存在するのか、と思った。どれだけの覚悟で、ホシ君がステージに立っているか、CARATを愛しているか、その動画一つでわかってしまう。
いっそ怖いほどに、ホシ君は命懸けのアイドルだった。


全天で輝く一等星の星は21個。ホシ君はどの星よりも苛烈に輝く、唯一無二の一等星だ。
ホシ君より歌がうまい人も、踊りがうまい人も、スタイルがいい人も、顔がかっこいい人も、きっとたくさんいるけれど、ホシ君ほどステージを愛し、ファンを愛し、アイドルであることに覚悟と矜持を持って生きている人はそうはいない。
わたしの胸が震えるほどに、魂が削れながら美しく燃え上がる瞬間を見せてくれてありがとう。
この先百年は生まれることがないかもしれない、当代随一、生粋のアイドル。
ホシ君は先のペンミで、いつもみなさんにとって最高で最後の、究極のアイドルになります、と言った。その言葉を嘘にさせたくないから、わたしはホシ君がアイドルをやめる時、アイドルを応援することをやめるんだと思う。

あのね、ホシヤ。時に同じ人間じゃないような狂気じみたオーラを纏っている君も、人間臭く何かに悩み傷つき迷っている様子の君も(センイルWLIVEで現在進行形でなんかしんみりしてる様子のホシ君を見ながらこれを書いてます)、どんな君もわたしにはかっこよく、愛おしく、輝いて見えるよ。
27歳のお誕生日おめでとう。
君は、真昼でも見つけられるCARATにとっての一等星。
ちゃんと食べて、眠れる時には眠って、どうかいつまでも輝いて、幸せだと笑っていて。
他でもない、ステージのその上で。


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