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メルカリにて生成AI・LLM専任チームを立ち上げました

こんにちは、メルカリのmazeです。
GWの最中?の5/1に、生成AI/LLMの専任チームの発足についてお知らせを出しました。


この領域の可能性は凄まじく(そして、その変化スピードも凄まじく)、僕個人としても、このタイミングに居合わせられたことを幸運に思っています。日夜ワクワクしながら、LLMについて探索し続けています。

このnoteでは、メルカリにおいて、どういう考え方で進めていこうとしているのかを簡単に記載したいと思います。
今回のメルカリLLMチームで進めていく方向性は大きく2つあります。

Enabling

1つ目の方向性は"Enabling"です。
「全チームがLLMを使って課題解決ができるようにサポート・環境を作り、既存プロダクトへのLLM活用を実施・支援していく。」ということをやっていきます。
今までMLの技術に関しては、専門のMLチーム中心に従事してきました。ただ、今回の生成AI・LLMの技術革新はMLエンジニアだけでなく、一般的なソフトウェアエンジニア、さらには、ノンプロダクトの職種の方もプレーヤーになり得る技術だと思っています。そのため、LLMを触るというのは特定のチームに閉じるのではなく、全社的に、全てのチームが触り課題解決に活かしていくべき、と考え、この方針をとっています。

具体的には下記のようなことをやります/やっています。

  • ガイドラインの策定

    • メルカリの研究開発組織「mercari R4D」などとも連携しながら、セキュリティ・ガバナンス・プライバシー等を含む様々な観点を考慮したガイドラインを策定し、安心・安全なプロダクトの実装を進めやすい環境を整えます。

  • 勉強会やmeetup, ハッカソンの定期的な実施

    • 社内外において、勉強会やハッカソンの開催を実施していきます。知見をシェアし、どんどん作ることを奨励します。2000人弱のメンバーが在籍しているメルカリグループ全体の力をレバレッジし、高速にPDCAを回せるようにします。

  • 生成AI/LLMを使った、メルカリの既存プロダクトへの機能開発の促進

    • メルカリには様々な各種機能の開発を担うFeature開発のチームがあり、そこのチームと協働して機能開発を実施していきます。

    • LLMチームのメンバーに各機能開発チームに入ってもらい、チームのLLMへの理解の促進や、実際のプロダクト実装を進行・支援する場合もあります。

    • また、メンバーを派遣するだけでなく、各機能開発チームのメンバーに僕らのチームに入ってきてもらい、一緒に並走しながら学ぶ、という形も同時に想定します。

その他、生成AI・LLMを使った生産性を上げるツールの導入等に関しても、積極的に推進していきます。

Building

2つ目の方向性は”Building”で、「専任チーム自らプロダクトを実装し、学びながら、事業インパクトを出していく。」ということをやります。
まだ現時点で具体的に話せるものは多くはないですが、僕らのチームが最初にリリースしたプロダクトとして、メルカリ社員専用の「mercari ChatGPT」があります。

  • 「mercari ChatGPT」

    • 業務内容の情報を入れても良いように対応したChatGPT。プロンプトのシェア機能や、複数モデル対応を実装。社内向けPluginsも対応予定。

    • ここの詳細は、後日mercanかエンジニアブログにて。

実際のmercari ChatGPTの画面(「薪事件とは一体…」)


その他、LLMが無ければ考えられなかったような施策や、メルカリならではの大胆なPoCをやっていければと考えています。目下社内でも、いろんなチームと話しながら進行中。乞うご期待!

メルカリの各種サービスに対してLLMを活用できるところが非常に多くあるので、これから様々な活用事例を出していけると思います。ぜひ楽しみにしていてください!

以上、色々記載しましたが、この領域の変化スピードは非常に速く、来月にはまた方針を上書きしている可能性はありますが、現時点では上記の観点で進めていこうと思っています。

採用に関して、募集を開始しましたので、大きな舞台でLLMにフルコミットしたい、という方は是非応募してみてください!

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