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花と朗読 制作記(1)

華道家の杉謙太郎さんから「花と朗読」で何か作品を作らないかとお誘いを受けた。彼は日本中、いや最近ではアジアやヨーロッパなど諸外国でも「花会」を催していたのだが、コロナ禍で否応無しに活動は休止となり、地元である福岡に戻り陶芸に明け暮れていたという。山に籠り土をいじり、窯に火を入れ、沢山の器を作りながら縄文時代に思いを馳せていた。沢山の情報を生まれ落ちた土地から得て、久しぶりに再会した彼は蛹が蝶になるごとく脱皮していた。

再会したのは2021年6月。
まだまだコロナ禍ではあったけれど、新潮社の「工芸青花」が主催する催し物の中で「花会」を行った。今までの「花会」とは全く異なったホワイトキューブでのインスタレーションのような「花会」であった。沢山の種を使った作品や、地元福岡の土で焼いた花器が崩壊し、砕け散った土から真っ赤な花が吹き出してくるような作品もあった。どれも出来上がっていく過程が作品となっていて、パフォーマンスのようでもあった。そして、「誕生」をイメージさせるその数々の作品は彼自身の「誕生」のようでもあった。

6月の花会の後、
「まずは土をいじりをしに遊びに来ませんか?」
とお誘いを受け9月に夫と共に遊びに行った。
そして、11月末に一緒に小さな「花会」を催すことになった。
花と朗読。

会場の候補地も<杉工場>と<河北家>の二箇所となった。​

<杉工場>はもともと学校の勉強机や椅子・跳び箱などの木工製品を作っている会社で、今は自宅や事務所などでも使えるシンプルで繊細なデザインの美しい商品を販売している。今回、開催予定になっている会場は工場跡で、今はショールームとして使っている場所だ。雰囲気があってとても素敵なのである。そして、過去にもセンスあるイベントが沢山催されている。

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一方、<河北家>の方はうきは市の名家である河北家の邸宅の中にある能舞台での開催予定となる。河北家のご先祖は神代の時代にまで遡ると、なんと!神武天皇の兄「三毛入野命(みけいりののみこと)」とされている。家の敷地内に先祖たちを祀る神社があり、邸宅内には御神木のような大きな楠が2本立っている。登録有形文化財にも指定されている素晴らしい木造茅葺の邸宅だ。

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↑以前、杉さんが河北邸で開催した「花会」の様子

↓河北邸(楠森堂)の様子はこちらで見れます

それぞれ趣の違う場所なので、どういう風に構成していくかはこれから杉さんと一緒に詰めて行こうと思っている。

開催日は今のところ11月20・21・22・23日の4日間の予定。




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