『源氏物語』を「恋愛小説」といふ勿れ(6) ※「車争い」編
第4章 『源氏物語』に映り込んだ二つの政変1 道長の政治的意図と式部の執筆意図どう融合させたのか
『紫式部日記』では『源氏物語』を『源氏の物語』と記しています。本来の『源氏物語』は、光源氏一人の物語ではなく、「様々な源氏の物語」なのです。その時、菅原氏は、源氏として包括される氏族です。
菅原氏は、もとは土師(はじ)氏と云いました。土師氏の父祖は、天穂日命(あまほのひのみこと)で、天穂日命は天照大神の子なのです。つまり菅原家の先祖は、天皇家の先祖と同じ天照大神まで辿れます