この世界でどれだけ

モニターから、胎動の音が聞こえて来る。
まるで和太鼓を、ドンドコ鳴らしている様だ。

この音を、わたしは聞いたことがあると思った。祖母が危篤だと聞かされた時、実家に向かうまでの間ずっと頭の中に流れていた音だ。

生を受ける時の音と、生が去りゆく時の音が一緒だった。

だから、私達は同じ場所から来て、同じそこに帰るのだと思った。

「さあこの世界で、どれだけ遊んでやろうか」

新しく来たひとは、そう思っている様に見えた。

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